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ブレスク!!
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ブレスク!! 40

その美しさを損なう事に若干の後ろめたさを感じつつスプーンを差し込む。
完璧とも言える手応えに思わず零れる会心の笑み。
周りの雑音など、彼にはもう聞こえていない。
そして、銀色のスプーンと見事なコントラストを描く黄金色のソレをゆっくりと口に運んだ−−

その直後、アルトはICUに移ったらしいが、それはまた別のお話。


「勝手に!」
「次回予告っ!!」

「本当に残念です」
「ああ、やっとアイゼンガーを倒せたと思ったのに……」
「いえ、社長が生きて帰って来たのが」
「同志よ……」

「ベル、最後の人って−−」
「−−生徒会長よね。名前は確か……何だったっけ?」
「えっと……思い出せないッス」
『…………』
「次回、『対決! 放課後の魔術師!』をお楽しみに!」


紆余曲折あったが何とか無事(?)退院したアルトは今日も仲良くトムと一緒に居残り勉強をしていた。
「あー……ヒマだな」
「トム、一応今は勉強した方が良いと思うッスよ」
明らかにやる気の無いトムをたしなめるアルトだったが……
「勉強? 無駄無駄、全然わかんねえし」
「確かにそれもそうッスね……」
トムの最もな(?)意見によりあっさりと丸め込まれた。


「やっぱりこのままじゃマズイよね」
「……アルトの成績?」
長年の付き合いの為せる阿吽の呼吸でベルの考えを見抜くリフィー。
「もしこのままアルトが留年しちゃったら−−」
「−−流石のスフィア家でも同じクラスに出来なくなるわね」
「知ってたのっ!?」
思わぬリフィーの言葉にベルが取り乱す。
「……呆れた。本当にしてたのね」
「カマをかけたわね」
顔を赤らめてジト目で睨むベル。
「予想を述べたまでよ」
「うー……」
「で、何でサラが居残りなんてしてるの?」
リフィーが軽く突っ込みを入れる。
「・・・」
サラは無言でリフィーとベルを見る。
「サラって頭悪かった?」
ベルは首を傾げて見せる。
「そんなわけないでしょ。私と変わらないし。」
リフィーはキッパリと言い切る。再び2人の視線はサラへと向けられた。
「……人には色々事情があるのよ」
遠い目で呟く様に語るサラ。
いつもと違うサラの様子に二人が顔を見合わせた、その時−−
「ふっふっふ−……調査は上手くいっているかな、サラ少年」
三人の前に現れたボーイッシュで小柄な少女。
「……アタシは女よ」
「ははっ、ゴメンゴメン。んで、調査結果は?」
「見ての通り調査どころじゃないわ」
「ちっ……役立たずめ」
誰にも聞こえない様に呟いたつもりらしいが、
「……斬るわよ」
しっかり聞こえていたらしく磨き抜かれた刀身がその首にあてがわれる。

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