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ブレスク!!
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ブレスク!! 39

「『デスペナルティー』!!」
山に叩きつけたビックマを光が包み込む。
「なっなぁぁぁぁぁ!!」
ジャージーの叫び声よりも早く、ビックマが足元から光の粒子になり消えて行く。
「悪に生きる価値は無い・・・」
逃げて行く脱出ポットに追撃をかけようと空を見上げる

「駄目・・・」
ベルが呟く。
「駄目ぇぇぇぇ!!!」
ベルが叫ぶと同時に魔法書が輝き、魔法陣を描く
すると突然、アイゼンガーが頭を押さえ膝をついた。
「くっ・・・ここまでか・・・」
そう呟くとアルトの姿に戻り、倒れた。
 

「まさか『クイーン・オブ・レッド』が宿っていたとは・・・」
そう言うと倒れたアルトを担ぎ上げる。
担ぎ上げたのはカフェ『ショコラ』店長らいである。
「難儀なものを背負っちゃったね〜・・・俺のせいで・・・」
一瞬悲しみの色を浮かべるとマリンピアに向かい歩を進めた。
 

数日後−−
「よう、元気にしてるか?」
「−−お邪魔します」
怪我の治療の為に入院したアルトの病室に見舞いに来たトムとクリス。
「二人共、来てくれて嬉しいッス」
ミイラ状態のアルトが二人を笑顔(かどうかは傍目にはわからないが)で出迎える。
「しっかし本当に災難だったよな」
「本当ですよ。『たまたま』ジャージー襲撃に居合わせたばっかりに……」
アルトの惨状を目の当たりにし思い思いの感想を述べる二人。
「そ、そうッスね−−でも幸い怪我の方は大した事無いッスから−−」
「−−そうは見えないけど」
少し(いやかなり)苦しい形で話題を変えようとしたアルトに空かさずツッコミを入れたのは−−
「リフィーさんもお見舞い−−じゃないですよね?」
「ええ−−まあ、敢えて言えば災厄を届けに、ってところかしら?」
リフィーがあっさりとクリスの言葉を肯定するのと同時に勢い良く病室の戸が開かれる。
「アルト、元気にしてた!?」
現れたのは何故か走って来たらしく軽く髪を乱したベル。
「ベル、それは……?」
アルトの言葉に一同の視線がベルの手にした包みに注がれる。
「フフフ……」
待ってましたとばかりに不敵な笑みを浮かべ包みを解くベル。
中から出て来たのは手作り風のプリン。
「これ、ベルが作ったッスか?」
「へえ、旨そうじゃん」
「ベルさんって料理出来たんですね」
ベルの特殊技能を知らない三人が『見た目はまとも』なお土産に歓声上げる。
「さ、食べてみてよ。ちゃんとみんなの分も作ってきたから」


今、彼はあるモノと対峙している。
滑らかで艶やかな肌、鼻腔をくすぐる甘い香り……口に運べば美味であることは間違いない。

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