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ブレスク!!
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ブレスク!! 33

 

「あっれ〜?アリスはん珍しいな〜ここに来はるなんて〜」
取り出した鍵を使い開けた扉の向こうにいた、まるで目覚まし時計に乗った縫いぐるみのような生き物がアリスに挨拶をした
ちなみに大阪弁だ
「ここどこ?」
「ここは『図書館』よ」
サラが答える
「図書館?」
「そう、たしかにここなら魔法書くらいあるわね」
そう言う間にアリスが縫いぐるみに説明をする
「なるほどな〜料理をおいしくな〜、なら命の魔法の棚のは行にある『反転』の魔法書に載っとる魔法でなんとかなるんちゃうかな」
「そこまでする必要なんてあるのかしら?だいたい、好きなら早く告白したら?」
サラは飽きてきたのか、何処からか持ってきた椅子に座っていた。
「それが出来たらこんな事で悩んでない!!」
ベルはイライラしているのかサラに食ってかかった。
「やってない事をできないって決め付けるのはよくないわよ。そりゃ、想いを口に出して相手に伝えるのはそれなりの覚悟ではなきない事よ。だからと言って…」
「サラみたいに自身ないもん!!サラやリフィーみたく、美人じゃないもん!!」
ベルはしょげ込んだ。
「こらこら、そんなにいじめてはいけないよ」
ふとサラに向かい声が聞こえた
見ると小さな眼鏡をかけた細身の青年が分厚い本を片手に立っている
「貴方の言う事ももっともですが、告白とは勇気がいるものです。できないからといって責めてはダメですよ」
そう言うと柔らかな笑みを浮かべる
「お、『クロノ』はんやないですか〜。どないしはったんです?」
「いやぁ仕事が一段落ついたものだから一服しようかと思いまして」
そう言いながら分厚い本を近くの机に置いた
「お久しぶりです。クロノさん」
本を置いたクロノにアリスが一礼しながら挨拶をする
「あ、いやいやこちらこそお久しぶりです、アリスさん。聞くまでもありませんがあの方はお元気ですか?」
アリスに答えるように一礼を返すクロノ
「はい。必要以上にお元気です」
「それは良かった。ところで、訳は聞こえていましたがやはり告白出来ないのを責めるのはあまり感心できませんね」
クロノがサラに向かう
「私は別に責めてた訳じゃ…」
少しうろたえるサラ
そんなサラを尻目に、クロノがベルに近付き頭を軽く撫でる
「確かに、自分の未熟な腕をさしおいて魔法でなんとかしようとしたのも感心は出来ませんし、行動を起こさず勝手に結果を出そうとしたのも褒められたことではありません。だからといって自分を卑下してはいけませんよ?」
クロノの言葉にベルが顔を上げる
「本当に大事なのは相手を想う心です。貴方は自分が思っているよりずっと勇気がありますし、素敵なんです。後は、ちょっとしたきっかけが必要なだけなんですよ。きっと」
優しい笑顔を浮かべるクロノ

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