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ブレスク!!
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ブレスク!! 22



「ベル、やっぱり棄権しちゃ駄目ッスか?」
らいの圧倒的な力を目の当たりにして明ら様に逃げ腰になるアルト。
「当たり前でしょ! アンタ、本っ当にヘタレねぇ〜」
「で、でもいくら変神したところで無理なものは無理ッス。それにアドラー先生も十分に化け物だし……」
きっぱりと答えるベルにグジクジと抵抗を試みるが、
「あぁもうっ! 駄目と言ったら駄目! いいからさっさと逝きなさい!!」
「うぅ……分かったッス」
例に依り例の如くあっさりと押し切られ、鉛より重い足取りでリングに向かった。

「サラちゃぁ〜ん!準決勝進出おめでとう!」
別の場所ではペインがサラに飲物とタオルを渡していた。父親の悲劇も知らずに…
「ありがとう」
サラは飲物とタオルを笑顔で受け取る
「なぁ、サラちゃん…あのらいって男に勝てる?」
「わからない…。でも負ける気はしないわ。らいより苦戦する相手がいるから…」
サラは笑って言う
「それって…」
「ルカよ…」
「いいなぁ〜、先生は。サラちゃんにここまで想われて!うらやましぃ〜!」
ペインは声を上げた
「ちょっと…想ってなんかないわよ!勘違いしないで!」
サラは顔を紅く染めた
「顔に出てるよ?」
「違うって言ってるでしょ!!昔…は好きで彼の為なら命をかけ戦うことが出来た。でも…今の彼はあたしの愛した彼じゃないの。それに想いも届かなかったしね」
サラは笑って言う
「なんか悔しいね。サラちゃんの事、誰よりも好きなのに…」
ペインは悲しげに笑う
「あたし、貴方の事…嫌いじゃないわよ?」
サラは静かに言う
「ほんと!?」
ペインの顔に明るい笑顔が戻った
「ええ。貴方があたしを好いてくれるのもどちらかと言えば嬉しいわ。」
サラの言葉にペインは夢でも見ているのかと思い、おもいっきり自分の頬をつねってみる。
「痛い…」
「何してるの!?痛いの当たり前でしょ。」
サラは呆れていた
「夢じゃない!!」
ペインは一人笑っていた
「でも…貴方の努力次第よ?」
サラはペインに小悪魔のような笑みを送る
「ライバルがいるって事か…」
ペインはサラの視線の先から走ってくる青年を見て呟いた。トムの姿を…
「ええ。ご名答。さぁ次の試合が始まるわね?三人で仲良く観戦といきましょうか?」
サラは視線をリングに送る。そこにはアイゼンガーとアドラーの姿があった


「アイゼ〜ン……」
アイゼンガーが大きく息を吸い込み姿勢を低くして構え、
「……ナッコォ〜!」
掛け声と共に爆炎を伴う拳を放つ。が、同時に差し出されたアドラーのそれに阻まれ辺りに衝撃波が生まれる。
「……っらぁ!!」
更に力を込めて押し切ろうとするアイゼンガー。がしかし、逆に弾かれて大きく吹っ飛んだ。
「くっ……コイツ強いぞ……っ!」
何とか体勢を崩さずに着地したアイゼンガーに容赦無い一撃が迫る。
「(……これまでか)」
そう思い諦めかけたその時、

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