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ブレスク!!
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ブレスク!! 18


「え〜、何とも意外な展開になりましたね」 アナウンサーが呆れた様な声を出す。
「ペインの奴……」
 そう呟くと頭を抱えるやなく。とその時、背後から鈴の音の様な声が聞こえて来た。
「あらあら、ペインにも困ったものね」
「あ、赤凪さん……」 あから様にやなくの顔が引き攣る。
「どうやらお仕置きが必要みたいね」
「いや、でもさぁ……」
 何とか息子の事を庇おうとする大魔王。が、
「やなくさんは黙ってて下さい」
「あい……」
 妻の笑顔の迫力を前に素直に頷く事しか出来なかった。
「ペインも頑張ってたんじゃないかしら?」
赤凪に笑顔を向けながらペインを庇うサラ
「あら…この可愛らしいお嬢さんは?」
「ペインの想い人」
やなくがかる〜く説明すると赤凪の顔に笑顔が輝く
「まぁ、こんな可愛らしいお嬢さんをお嫁に見つけるなんて…お仕置きは貴女を口説き落とせなかったらにしましょうか」
赤凪は笑っていた
「あたし…貴女が思っているような女じゃないわ。それに…」
「息子の事どう思います?」
「父親よりかいい男。奥さん似?」
サラはハッキリと言う。隣で肩を落とすやなくを見て赤凪は楽しそうに微笑んだ
「否定しないんだ……」
「だって本当の事ですから」
「しどい……」
 さらりと笑顔で酷いことを言われ更にヘコむやなく。そこにアナウンサーが口を挟む。
「あの〜、サラ選手」
「……何かしら?」
 明らかに不機嫌な声と共に投げ掛けられる殺気の篭った視線。
「そろそろ控室の方に向かわれた方が……」
 目を合わさない様に言うとDブロックの勝者が勝どきを上げているのを指差す。
「分かったわ……それじゃ赤凪さん。私、行ってきますね」
 そう言って軽く会釈すると放送席を出ていった。


「……何でよりによって『アドラー』が同じブロックに居るんだよ」
 スーツに七三、黒渕眼鏡の見るからに堅物といった感じの男、ブレスク生徒指導のアドラーを見て思わず呻くトム。
「ムムッ、教師を呼び捨てとは感心できませんね。大体君は……」
「あ〜っ! うるさいうるさいうるさ〜いっ!!」
 小言を遮る様に叫んだトムが右手に炎を纏わせるのを見て眼鏡を外すアドラー。と同時にスーツが内側から破られていった……

「マジかよ……」
 元の倍近くになったアドラーを見上げながらトムが呟く。
 他の参加者も戦いの手を止めて呆然としている。
「フシュゥゥゥ……指導、開始……」
 その言葉を合図に人のウエスト程もある腕が振り降ろされた。

「えぇ〜これは何とも凄い事になってますね……」
 そう呟くアナウンサーの目線の先ではもはや他に何一つ動く者の居ない中アドラーが暴れ回っている。
「誰が止めるんでしょうか?」
「…………さぁ?」
 感情の一切篭っていないアリスの問いに適当にやなくが答えた。

ブロックE
勝者:アドラー
会場再設営の為二時間の中断……

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