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ブレスク!!
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ブレスク!! 13

「図々しいわね…」
サラはリポーターからマイクを取り上げ、馬鹿力で破壊する。
「あ…」
「え…」
「何、ボサッとしてるの?逃げるわよっ!」
サラはベルを見た。
「ええ。」
ベルはアイゼンガーの腕を引っ張り走った。
「ちょっと…」
リポーターは諦めていない様子。
「うっとうしいわ…“疾風の如く舞い上がれ、桜吹雪!!”」
サラは両手を前に声を上げる。リポーター達の視界を桜の花びらが覆った。

「逃げられた…」
ベルは息は息を切らしている。
「ふぅ〜、助かったっス」
「ん?アルト、アンタいつの間に元に戻ったの!?」
 驚いたベルが慌てて振り返るとそこには普段通りのアルトがいた。
「え?ああ、今さっきっス。ここは人通りも無いし……」

『………………』
 しばし二人の間に不思議な空気が漂う。

「……ま、兎に角アルト、何があっても絶対にこの事は秘密にしなさいよ」
「もちろん分かってるっス」
 そうアルトが深く頷くのを合図に二人は帰途へと就いた。


「……西条さん!」
 真面目が服来て歩いてる様な男、MBSの顔である『NEWS21』のディレクター蒼天現二、がいかにも業界人といった様子の男、同じくプロデューサーのジョニー西条、に声をかける。
「よぉ現ちゃん。例の取材、上手くいってる?」
「あの〜、その事なんですけどぉ……」
 現二の語尾が小さくなる。
「どうした?まさか編集が今日の番組に間に合わねぇとか?」
「いぇ、それどころかロクな画すら撮れてないんですよ……」
 そこまで言うと申し訳なさそうにうなだれた。
「んだよ、そんな事かぁ。そういうのを何とかすんのがウチらの仕事だろ?」
「はぁ……」
「こういうのはなぁ、適当な証言とかでごまかしとけば良いんだよ」
「でも、そんなんで大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫大丈夫、どうせ他局はまだ詳しく分かっちゃねぇんだから、イケるイケる」
 そう軽く言い放つと背中を叩いて現二を送り出した。

「アイゼンガー、ねぇ……まっ、せいぜい俺らに稼がせてくれよ?」
 一人残された西条が煙草をくゆらせながら静かに呟いた。

「マスター」
空が薄暗くなった頃、カフェ『ショコラ』の掃除を終え、テレビを見ていたアリスがソファーでゴロゴロしながら小説を読んでいたらいに話しかけた
「ん〜?な〜に、アリス」
「マスターはご存じなんですか?アイゼンガーがどなたか」
アリスの言葉にらいがニヤニヤしながらゴロリと反対を向いた
「ま〜ね〜」
「ではこれはまたマスターが仕組んだことなのですか?」
「さ〜、ど〜でしょ〜ね〜」
「・・・まぁよろしいですけれど」
そう言うとまた視線をテレビに戻した
こうしてカフェ『ショコラ』の夜は更けていくのであった

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