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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 70

「私は、幸せだから、心配しないで?」
「はい?」
「さようなら」
葉桜は腕を横に振った。
その間際に、ありがとう、と呟きながら。
「ハッキング完了。出て来なさい、玩具箱」
風景は魔法協会から真っ黒に戻り、玩具箱が出てくる。
ガチャガチャと持ってる携帯ゲーム機をいじっている。
「くそ、なんでこのゲーム、言うことを聞かない!!」
「そのゲーム機、魔法で作ったのかもしれないけど、中身は本物よろしく電気で動いてるようね?ゲームだろうがなんだろうが、電気を使ってるなら私のものよ、残念ね」
「ちくしょう、せっかく母にぶち殺されるようにしてやったのにぃ!」
玩具箱はゲーム機を床に叩きつけた。
空間魔法ネバーランドは終わり、元の世界に戻った。
もう長かった夜も終わり、空が白けてきた。
もうすぐ日が昇る。
「哀れね」
「ああん!?」
「アンタ、駄々をこねるガキのよう。自分では何もできない、何もしようとはしない。全部他人任せだからそんなことになるのよ」
「ふざけんな……ふざけんなぁぁぁぁぁ!!パンドラボックス!!!」
ぶわっと玩具箱が黒い魔力に包まれる。
「殺してやるぅ!俺の手で、俺の力で!殺してやるぅぅぅ!!なにが他人任せだ!!俺の手でっ……!!!」
玩具箱が私達に向かって突っ込んでくる。
しかし、遅過ぎる。
葉桜は玩具箱の後ろにいた。
「いい加減…パンドラボックスが見せる夢から覚めろっ!!」
紫電が轟く。
紫の光は辺りを包む。
焼け焦げた後には、何も残らなかった。
主人をなくしたパンドラボックスだけが、ぽつんと朝日に照らされていた。
「何も自分でしようとしないアンタが、私に勝てるわけないでしょ……」
葉桜は、そう言った後にようやく涙を流した。
「葉桜……」
「勝てたよ。私……やっと……」
優しく彼女を抱いた。
彼女はわんわんと泣き、それは止まらなかった。
せっかく母に再会できたのに、それを自ら壊すことに躊躇いは感じられなかった。
本当は一秒も長く見てたかったろうに。
彼女は、私が思っていたよりも強い子に育ったなと、私も大人気もなく涙を流していた。


chattime
「revision」


「ふぅ……一時はどうなるかと思ったけど、雅ちゃんがタブルマイスターになって全部解決しちゃったわね?足の怪我はどう?リルカちゃん」
「問題はありません。治癒魔法で完治しました。傷も残らず」
「ふふ、嫁入り前の身体だものね?」
「セクハラですよ、綺羅綺羅世界」
「んもう!女同士よ?」
「ところで、報告、よろしいでしょうか?」
「お願い」
「はい。以前、神の居場所は掴めてません。どうやら転々と移動しているようです。正直、遊ばれている気すらします」
「そう。やっぱりあの人を追うのは難しいかしら」
「相変わらず二人で捜索していますが、執行者を二人でも難しいのなら、ダブルマイスターでも投入しないと難しいと思えます」
「でもねぇ……今は……

居場所確定
・綺羅綺羅世界(ワンダフルワールド)
・菫色の稲妻(ライトニングオブアメジスト)
・狂血鬼(バーサーカーバンパイア)

居場所不確定
・神(ゴッド)
・白金姫(プラチナプリンセス)
・規格外破壊(イレギュラーデストラクション)
・未知数物質(アンノウンアンノウン)
・電波妖精(フェアリーニート)
・悪夢蘇生(ダイイングライブ)

ていう状況よ?誰が行けるっていうのよ」
「……そうですね。狂血鬼を野に放す訳にもいけませんし。あれ?そういえば新しいダブルマイスターを試験中っていう話では……?だから今一席空けてるのですよね?」
「まだ試験中だから何も言えないわ?クーリャちゃんもどこに行ったのか分からないし、雅ちゃんはここに居て欲しいわ……」
「そういえば葉桜は?」
「元々の目的の場所に行ったわ。孤児院ホロウワールドに」
「そうですか。青空からも聞いていますが、朝霧静夢というのはそんなに凄かったのですか?」
「静夢ちゃん?そうねぇ……別に普通だわ?」
「普通……ですか?」
「そう。特別、格好良かったりとか別にないんだけどね?彼は逃げないのよ。それがとてもかっこよく見えてね?」
「それは、なんとなく分かります」
「ふふ、あれ?もしかしてリルカちゃん、静夢ちゃんのこと〜?」
「斬りますよ?」
「冗談よ!まぁでも静夢ちゃんは難しいわね〜?」
「難しい、と言うと?」
「ライバルが三人もいるわ?」


episode 30
「Hollow World  -ホロウワールド-」


場所自体は意外と近かった。

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