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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 1


episode 1
「encounter -デアイ-」



「生きてる意味あるの?早く死んじゃえばいいのに」
なんて言葉が毎日のように容赦無く僕に降りかかる。
僕、朝霧静夢(アサギリシズム)はこの御時世珍しいほど典型的ないじめられっ子である。
いや、平仮名で使われる生半可なものではなく、この場合は『苛められっこ』と言ったほうが少しはその凄惨たる状況が伝わるかもしれない。
ただ普通に生きていて、普通に過ごしていて、成績もスポーツもルックスも普通。
普通じゃないと言えば、僕は身内がいない。
昔、記憶に残っていないくらい昔に両親は死んだらしい。今は一人暮らしでバイトをしながら、奨学金のおかげで学校に通っている状態だ。
正直言って苦学生だ。
だからと言って何も悪いことはしていない。
特別何かおかしいところもないはずなのに、僕はクラスメートから迫害を受けている。
どうやら僕は生きてる意味が無く、学校に来る意味も無く、存在そのものが許されない人間らしい。
頼みの綱である先生も見て見ぬ振りなのか、自分のクラスに苛めはないの一点張りである。
もはやこの学校に僕の居場所なんてなく、それどころかさっき女生徒に言われたように、この世界にすら居場所は無いらしい。
正に、ひとりぼっち、である。
どの世界からも歓迎されることもなく、永遠にマイナス方向に孤高である。
確かに、自分でよくよく考えると、何故生きているか分からなくなる。
「生きてるだけでいいんだ」なんて言ってくれる両親なんていないし、逆に「死ね」と言われる毎日。
僕一人がいなくなっても誰も困らないし、むしろみんなが幸せになるのではないか。
そんなことを考える毎日に嫌気が差してきた、今日。
僕は自殺をしようと決めた。
しかし、どうやって自殺しようか。
これから死ぬ人間が考えるなんておかしいのかもしれないけど、なるべく他人に迷惑が掛からないように死にたい。
そして僕は現在、夜の12時。
ある山の中の木に縄を括り付けている最中なのだ。
その準備もOK。後は首に縄を通すだけ。
その前にこの世界最後の景色として満天の星空を眺めることにした。
山の中は都市部と違い、光が少ないから星が見やすいというのは本当だった。
この世の中にもまだまだこの星のように綺麗なものはたくさんあるだろう。
「でも……これで最期か…」
もう思い残すことは無い。
強いて言えば、この最高の星見スポットを誰にも教えてあげられなかったことだろうか。
だけど、もうそんなことはどうでもいい。
僕はひっそりと僕という人生に幕を降ろそう―

ダァァァァァァァァァン!!!!

瞬間、今まで聞いたことのないくらいの爆音が耳を貫き、閃光に視界を奪われた。
何が起きた?分からない。目も開けられないし、耳も今は聞こえない。

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