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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 7

「あぁ…あいつ?魔力を失い、ただの人間になったわ?ふんっ…良い気味っ…!」
雅は機嫌を損ねたらしく、ずっと窓の外を見つめている。
雅はさっき好戦的な魔法使いもいると言っていた。
さっきの男も好戦的な魔法使いである。
雅は……いったい今までいくつの戦いを乗り越えてきたのだろう。
「大変なんだね…魔法使いって」
「ん…静夢はどうなのよ。魔法使いになって、今までイジメてきた奴らに復讐したいんじゃないの?」
「僕は……魔法使いになんてなりたくない」
「どうして?」
「僕は…力を持ちたくない。僕にとって力というのは暴力にしか見えないんだ。痛くて、怖い。そんなもの…僕はいらない」
今まで、嫌というほどに力は見てきた。
それは人を傷つけることができる。
それは…人を自殺までに追い込むことができる。
そして僕には守りたい人もいない。守りたいものがない。
それなら僕は、力なんていらない。
「ふーん…根っからのいじめられっこだね、静夢って。可哀想に思えてくるわ?ねぇ…私達のルールにもう一つ加えていい?」
「え…どんな?」
「魔法のことは誰にも言わないこと、静夢から私を裏切らないこと……そして、常に強くありたいと思うこと」
「強く………………」
「心構えだけでいいわ。別に行動にすぐ移さなくてもいい。負けちゃう時は負けてもいい。泣きたい時は泣いてもいい。ただ、今までとは少しだけ意識を変えて?じゃないと…また静夢は自殺を考えちゃうよ………」
今まで強くなることを諦め、抵抗することも諦め、ただ流れに任せて生きてきた僕が………少しだけ流れに逆らうように生きるということ。
でもそれは…その生き方は酷く心を消耗してしまう生き方。
「大丈夫。辛くなった時は私が支えてあげるから。なんのための友達よ?」
なんて、雅みたいにさらっと言えるように僕もなれるのだろうか。
もし雅が困っていた時に、僕が支えてあげることもできるようになるのだろうか。
「……?……ど、どうなのよ?というかここまで私に恥ずかしい台詞を言わせたんだから、必ず守ってもらうわよ…」
「……くすっ………」
「な、何笑ってんのよ!」
「ううん……いや……………うん。ルールの追加…頑張ってみるよ」
ルールは追加された。
僕は少しだけ前に進むことを決めた。
そしてこの日からわずか五日後。
僕は違う魔法使いに出会った。
魔法界、三姫のうちの一人。
蒼い炎を使う、彼女に。



Chat Time
「Wizard & Wicth」



「でね?世界中に魔法使いはいるんだけど、その中でも強い人達をウィザード、ウィッチの頭文字Wから『ダブルマイスター』って呼ぶの」
「へぇ……雅は?」
「私なんか全然…いつかはなりたいと思う、というか……夢、なんだけどね?」

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