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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 6

ようやく立てるようになった僕は、また自分の弱さを噛み締めながら雅と一緒にその場から離れた。


「はい…ここ私の家。あがって?」
と僕は人生で初めて友達の…しかも女の子の家に入った。
雅は両親が違う場所に住んでいるらしく、一人暮らしのようだけど、それがまた緊張の種になっていた。
「なに緊張してんのよ……えっち!馬鹿!」
「なっ…違っ、僕は…友達の家なんかに入ったことなかったから…」
「あ……そう…。ま…何も面白くはないけどね?あ…適当に座って?」
適当ってどこだ?
僕は友達がいないから、いまいち友達同士のフランクな距離感が掴めない。
とりあえず無難にテーブルの椅子に座った。
「ソファーでいいのに?はい、お茶」
「あ…ありがとう…」
差し出されたお茶を飲み干す。
そういえば僕は喉が渇いて仕方なかった。
「えーと…おかわり、いる?」
「え…あ…いや、お構いなくっ」
見事にから回ってるのが手に取るように分かった。
それからお茶をもう一杯もらってから、ようやく僕達は本題に入ることができた。
「とりあえず自己紹介からしましょうか?葉桜雅。18歳。高校生で魔法使い。…ちなみに高校生の時は普通の女子高生で、白雪高校に通っているわ?」
白雪高校は名門の御嬢様高校である。
一年に一度、ミス白雪として『白雪姫』を決める御嬢様高校にも関わらずノリが良い学校というのを聞いたことがある。
「魔法使いの私は紫色の雷使い。えーと…他には…あれ、は後でいいか………とりあえずこんなもんよ?はい、静夢の番」
「僕は朝霧静夢。雅と同じの18歳。高校は御堂筋高校。………………以上」
僕にはこれくらいしか言えることはない。
「それだけ!?ま……いっか、きっと静夢が聞きたいのは私のプロフィールより、こっちでしょ?」
雅は手に紫電を纏わせた。
「うん…僕は正直、まだよく分かってないよ」
「そうよね…いい?他言しないっていう約束は破らないでね?」
「うん。守るよ」
魔法使いのことについて僕は教えてもらった。
雅は途中で難しい言葉を使っていたようだけど、要はこういうことらしい。
アニメや漫画みたいに、この世界には魔法使いという人達が存在している。
魔法使いはその力故に現代世界に紛れて己の存在を隠しながら生きている。
魔法使いは血によって親から子へと受け継がれているが、その数は年々減ってきつつある。
元々、平和を好む一族が生活の安定のために編み出した魔法は、現代になり好戦的な魔法使いにより暴力の道具として使われるようになった。
そして、魔法使い同士が争わないように決められた規則―…『争い、敗者は魔力を失い、勝者は魔力を得る』は最早、魔法使い自身が強くなるための規則へと変わっていった。
「じゃあさっきの奴はどうなるの?」

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