PiPi's World 投稿小説

マジカルガールロンリーボーイ
その他リレー小説 - その他

の最初へ
 58
 60
の最後へ

マジカルガールロンリーボーイ 60

しかし、そのバハムートは動かなかった。
「バハムート…?」
ドラゴンの王は、既に絶命していた。
分からなかった。
いつの間にバハムートがやられていたのかも分からない。
しかし、あのリルカ・ナインスという女。
あの女の刀には、バハムートの血が付いていた。
ガクンとその巨竜は崩れた。
「あー、つら、さてとお次は何かしら?」
刀をスッと斜めに空を切らすとバハムートの血を飛ばした。
バハムートを超える……次は……。
「早くしてよ。時間がないんだから」
そう彼女を呟いた。


時間が無い?
彼女の能力の話なのだろうか?
ならば簡単だ。
確かにバハムートを一瞬で倒されてしまったのは驚いたが、その状態が長く続かないというのならば、こちらは時間を稼げばいい。
パンドラボックスから無数の蜂を出す。
品種はオオスズメバチ、蜂の王だ。
少なからず彼女の攻撃方法はあの刀だ。
蜂のような小さく、速く、それでいて大量の敵に対して、一掃する方法は少ないはず。
これで時間を稼ぐ。
彼女の能力の時間切れを狙えばいい。
ジワジワと、蜂の毒のように。
弱ったところでトドメを刺せばいい。
大量の蜂達は敵を見つけ、一斉に飛んでいく。
それはまるで黒い靄が移動しているかのようだ。
「ちっ……面倒な」
彼女は距離を取った。
そこからこの攻撃方法が有効だと確信する。
距離を取る彼女に容赦無く蜂達は襲い掛かる。
永遠の追いかけっこが始まる。
蜂達は彼女を殺すまで追い続ける。
すると彼女は逃げることを諦めたのか、黙って刀を構えた。
無駄だ。蜂が何匹いると思っている。
蜂の集団になったそれは、もはや違う生き物のように黒くうねりながら彼女に襲いかかった。
しかし、その黒い靄は彼女に襲いかかる寸前で地面にボタボタと堕ち始めた。
そして、蜂達は全滅してしまったのだ。
「なにをした…」
ふと無意識に彼女に聞いてしまった。
すると彼女は笑いながらこう言った。
「斬ったのよ、全部。一匹残らず」
斬り落とされた蜂達を踏み、またこちらに近付いてきた。
「目の前で何が起きたか分からないのが不安なのでしょうね」
「違う」
「何も恥じることはないわよ?知らないモノへの恐怖は誰にだってあるもの」
「違う。うるさい。俺は今、考えてるんだから静かにしろ」
どうにも彼女の声は雑音になる。
俺の思考を停止させないで欲しい。
彼女の能力がいまいち分からない。
バハムートを倒したと思うと、あの蜂の大群をも全て斬って落とした。
そして、それらは全てあの刀によって攻撃されている。
まずはそこから崩すことにしよう。
パンドラボックスからある液体を出す。
それを球体にして何個も宙に浮かべる。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す