PiPi's World 投稿小説

マジカルガールロンリーボーイ
その他リレー小説 - その他

の最初へ
 56
 58
の最後へ

マジカルガールロンリーボーイ 58

「あら、おめでとう。よかったわね。これは将来が楽しみね?」
「そうなのよ!その時は今の戦争も終わっていて欲しいわ?」
「終わらせて頂戴。貴女ならできるわ」
「ん。そうね。私が戦地でどんなことをしてるかはあの子には知られたくないもの。戦乙女なんて言われてから随分経ったけど、やってることはただの殺戮と変わらないもの」
「こら、今更そんなことで悩んでも、貴女の地獄行きは変わらないわ」
「ワンちゃん、優しくないよー」
「うるさい。でも、平和な未来のために、そして娘のために早く戦争を終わらせないとね」
「ええ。本当はこの紫電だっていらない世界があるはずだもの」
「そう思うと皮肉なものね。魔法は親から子に受け継がれていくもの。紫電だって受け継がれるべきして受け継がれたはずよ?でもそれを使う親が、それを子に使わせない未来を望んでいるのだもの。ま、仕方ないことだけど」
「ふふ、そうね。でも戦争なんてないほうがいいの。平和が一番、この紫電も使わずに、一人の女の子として育ってほしいわ」
「そんな未来があるかもね?」
「でも、私の娘だもの。きっと上手く魔法を使ってくれるわ?私の娘だからこそ、自分の身は自分で守れるくらいにね!」
「きっと大丈夫よ。親である貴女がこうなんだもの。戦場で紫の雷を見たら逃げろ、幻の稲妻、神速の麒麟、様々な異名を持つ紫電の戦乙女の娘よ?強くないはずないわ?」
「やめてってば。本当は戦乙女も嫌なんだから。もう母親だってのにいつまでそう呼んでんだか……」
「ふふ、だから貴女の娘がそう呼ばれるようになるわ」
「それも、母親としては可哀想だから嫌ね……そうね。ワンちゃん、ひとつ約束してくれない?」
「なによ?」
「もし雅が私より強くなったら、きっとダブルマイスターになってるはず。その時の渾名なんだけど、菫色の稲妻(ライトニングオブアメジスト)にしてくれないかしら?」
「あら、花と宝石なんてオシャレね?」
「でしょ?もう戦争なんてやってないだろうから戦乙女はもういらないわ」
「分かったわ。でも貴女より強くなるなんて想像できないわね」
「それは安心していいわ?あの子は天才よ。紫電を出したとさっき言ったわよね?」
「ええ。それが?」
「おかげさまで家が真っ黒こげになったわ」
「は?え、今なんて?というか雅ちゃんって何歳だっけ!?」
「住む家が無くなったって言ったの!ワンちゃん泊めて!あと雅はようやく3歳になったわ?」


chattime
「duty」

「綺羅綺羅世界会長!失礼します!緊急通信です!」
「なによ!レディの部屋に入るならノックしてよもう!」
「申し上げます!現実世界にて玩具箱の魔力を感知。現在、葉桜雅と交戦中と報告がありました!」
「なん…ですって!雅ちゃんにはまだ無理よ!?救援できる人は!?」
「現在、玩具箱に対抗できるもので動けるものはいません!」
「他の人が行ってもミイラ取りがなんとやらね。分かりました。私が行きます」
「か、会長自らですか!?いけません!危険過ぎます!」
「いいえ、ついにこの時が来たと考えれば納得なの。友との約束を果たす時が来たのかもね」
「は、それは……?」
「なんでもないわよ!」
「ん、会長待ってください。また緊急通信が、え……と、ちょうど現実世界で任務中だったリルカ・ナインスが救援に向かったと!」
「…リルカちゃんでも足りないわ。やっぱり私が行かないと。準備して!」
「は!」


episode 27
「9th -ココノツ-」

葉桜雅は崩れ落ちた。
これで僕のものにできる。
正直に言うと簡単だった。
もう少し手こずるかと思ったが、意外とあっけなかった。
母親には追いつけず、か。
話に聞く紫電の戦乙女は今となっては神か悪魔かに例えられる。
もちろん味方だと神で、敵だと悪魔だ。
バランスブレイカーというやつか。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す