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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 55

「くすくす、何故僕が避けれたか分からない、という顔をしてるね?」
玩具箱はニタァと不愉快に笑った。
「君は特別だから教えてあげよう。誰にも言わないでおくれよ?」
玩具箱は真パンドラボックスをゆっくりと開けた。
「パンドラボックスの中には災厄が入っている、というのは嘘なんだよ」
「え……?」
「驚くだろう?災厄が入っているから、開けちゃいけない。開けたらせっかく閉じ込めた災厄が出てきてしまう。と、言われてきただろう?それは嘘なんだ」
開けられたパンドラボックスの中身は、何も入っていなかった。
「おっと。別にあの孤独迷子に消されたから入っていないというわけではないよ?元々は、別のものが入っていたのだから」
玩具箱はパンドラボックスを一度閉じると、また開けた。
そこには花が入っていた。
「パンドラボックスはね何でも入っている、が正しい答えだ」
「何でも入っている?」
「そう。パンドラボックスの魔法は箱の中からどんな物でも、どんな生き物でも、どんな武器でも、どんな怖いものでも、どんな楽しいものでも、なんでも取り出せる魔法の箱なんだよ」
中の花を取り出し、またパンドラボックスを開閉させると同じ花が入っていた。
「そして何回でも取り出せる」
箱の口を下に向けると大量の花が飛び出した。
「そ、それは……大魔法クラスの……」
「そう。正直大魔法を超えてる。まるでチートだね。危険過ぎるといってもいい。いったいこの箱をどう作ったのかが気になるところだけど、その文献はこの世にないらしい」
玩具箱は首を横に振った。
「ま、ある意味災厄は入っているのかな?というよりこの箱自体が災厄だ。世界を変える、どころか、世界を終わらせることができる」
「そんな危険な箱がなんで存在しているのよ。確実にあってはいけない部類の箱だわ」
「そう。だから昔の偉い人はこう考えたんだろうね。中を開けると世界が破滅するほどの災厄が入っている、といううたい文句を付けておけば、誰も開けないだろう、と」
「あ……」
ここで話は繋がった。
たいしたことはない。
誰もパンドラボックスがそういう箱だと知らなかったのだ。
「そこに僕が現れた。現れたというか両親からこの箱を渡された。ほんの赤子にも関わらずだ。そして幸か不幸か箱が開いた。そして僕は両親を願った。そして異形の両親が出てきた」

その両親は赤子を守って朽ちていったと聞く。
「ま、僕自身こんなチート能力だと気付いたのは最近だ。今までは強いもの、怖いものだけ出てくる……いや、僕を守ってくれるものばかり出てくると思ったんだ。だけどね、流石に僕も容姿は変わらないが大人になり、たくさんのことに興味を持ち始めた。そこで気づいたんだ、この箱の本当の使い方を」
玩具箱は大事そうにパンドラボックスを抱き締めた。
彼にとって、両親を赤子の状態で失った彼にとっては唯一の家族とも言えるだろう箱だ。
パンドラボックス改め、真パンドラボックス。
開けてはいけない箱ではなく、開けたら夢が叶う箱だった。
「さて、話を戻そうか。なんで君の雷を避けれたかと言うと…
「いや、いい。自分で確かめるっ!」
そのまま雷を玩具箱に向けて飛ばす。
その紫の光は玩具箱に当たった、が玩具箱は不気味に笑っている。
「ちっ」
舌打ちを置き去りにして、移動する。
単純な雷の攻撃じゃ何故か当たらない。
じゃあ雷ではないものではどうか。
雷状態での移動は速い。
目で捉えきれないほどの速さだ。

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