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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 54

「どうしたの君?良かったら僕と遊ばない?」
声のほうに振り返ると懐かしい顔を見た。
「……アンタ……玩具箱(ピーターパンドラボックス)」
「あっはは!覚えていてくれたんだね、葉桜」
「当たり前じゃない。あの日以来アンタは容姿が変わらない、いつまでも子供の魔法使いだもの」
「結構、結構。じゃ、これの情報もあるかい?」
玩具箱は元パンドラボックスを見せた。
あの箱の災厄は以前、静夢がすべて消したはず。
世界を変える魔法・ワールドイズマインで。
「ざんねん!はずれ、はずれ、おおはずれ〜!」
玩具箱はその箱を両手に抱えた。
「パンドラの箱の中には相変わらず災厄が入っている」


「またドラゴンとか?それならもう怖くないけど」
「違うよ?このパンドラボックスはもう真パンドラボックスだ。悪いけど前回の僕と同じだと思わないで欲しい」
「それはこっちもよ。やるなら場所を変えましょう?」
この戦いはもう逃れられない。
彼と偶然こんなところで会うなんてことはない。
だから彼は間違いなく私を狙ってきたのだ。
市街地を抜け、山林に着く。
そういえば初めてこいつと遭った時もこんな山中だっけか。

「どうして私を狙ってきたのよ?偶然、じゃないわよね?」
「ああ、それは君に恋してるからだ」
聞き間違いだろうか。こいつ今なんて言った?
「聞こえなかったかい?君に恋
「もういいわ。やろう」
続きが聞くのが怖くなった。
というか負けられなくなった。
負けたら何されるか分かったもんじゃない!
紫電を纏う姫になる。
バチバチッと光が舞う。
と言ってもこいつはダブルマイスターだ。
そこらへんの雑魚とは違う。
最初からトップギアだ。
雷速で敵の背後に移動する。
ここで玩具箱の視界内から私が消えたことになる。
そして周りを警戒する暇もなく、雷を纏った拳で殴る。
普通の奴ならこれでKOだ。
でも私はもう一つ保険をかける。
今、背後から殴りかかってる私は雷で作ったフェイク。
本当の私は玩具箱の上に飛んでいて、雷を鎚のように落とす技・雷鎚をする。
ダァァァァン、という轟音が響く。
紫電の落下点には玩具箱がいたはずだが、そこには焦げた地面しかなかった。
「凄い威力だね。あれをもらっていたら死んでただろうね」
声のほうに振り返ると、玩具箱はパンドラボックスを片手にケロリとしている。
ギリ、と自分の歯軋りが聞こえた。
今の攻撃を回避された、という現実に冷や汗が出る。
こちらは元よりフルスロットルなのだ。
最速の攻撃を避けられたということは、こっちのスピードよりあっちのスピードのほうが速い、ということだ。
そして、どう避けられたか分からないということも、私の負けを濃厚にしていた。

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