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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 51

「そう。なら良かったと思うわ。あまりにも自己犠牲大好き人間なのだから殺してしまおうかと思ったことは何度もあるもの」
「ふっ…そういうことにしておこうか、じゃあアリス、朝霧静夢を確保。ここから離脱する」
「分かりましたわお兄様。静夢くん、大丈夫?変なことされなかった?」
わざとらしく私の横を通り過ぎて静夢の心配をするアリスは腹立たしいが、私も美空のほうへと近付いた。
「早く治療してあげることをお勧めする。内臓をやられてるようだ。呼吸音がおかしい」
「分かってるわよ。クドリャフカの拘束も解いて、早く」
「承知した…それではね姫達。また近々、成長した君たちを楽しみにしてるよ」
そうして消えることと同時にクーリャの拘束が解かれた。
「クーリャ、大丈夫?」
「私は何もされてないわ。それよりも」
「分かってる、ごめん、先に行くね?」
雷速で移動して、美空を医者に見てもらわなければいけない。
バチッと美空を抱えた雅は魔法協会のほうへと移動していった。
私は1人残された。
残されたというより、1人になりたい気分だった。
作戦は失敗。
結局、私達は朝霧静夢を助けることができなかった。
それも、惜しいとかではなく、圧倒的に負けていた。
今になって気持ち悪くなって、アッシュに触られた唇を拭く。
その時に気付いた。
眼からポロポロと涙が流れていることに。
「…泣くくらい悔しい、のね…」
ポツリと呟いた言葉は虚空に消えた。
もっと強くならなければと決意し、私も魔法協会のほうへと向かったのだ。


episode 25
「plan -ケイカク-」


青空美空はなんとか一命を取り留めた。
あの戦いから一週間経ったがまだ意識は戻らず、病院のベッドで療養中だ。
アリスとどんな戦いをしたのかは分からないが、あの時私が見たアリスは傷一つ付いてなかったように見えたので、おそらくワンサイドゲーム…つまりボコボコにやられた、のだろう。
彼女にその役目を任せてしまったことを後悔する。
「ごめん、美空。また来るから……」
病室を後にする。
「葉桜、もういいのか?」
「はい、お待たせしてすみません、マークさん」
この人は魔法協会認定執行者、マーク・アイビセルダムさん。
執行者というのは犯罪をした者を魔法を使い捕まえることができる資格を持つ人達のことを言う。その権限はたまに殺人も許されるほどだ。
もちろんしっかりした人、というか魔法協会に認定されるほどの人格者で無ければいけない。

執行者は4人しかまだ認められていない。
その中に青空美空がいる。
つまりマークさんは美空の同業、先輩なのだ。
「いいよ。しかし、青空が戦線離脱してしまい、他の2人は特別任務中。となると他の仕事は全部俺に来るんだよ。あー、面倒だ」
この通り割とフランクな人である。
「そこはお得意の銃捌きでチャチャッと解決してください。実際見たことはないですが、マーク・アイビセルダムの魔法銃、フォーリンダウンに撃ち落とせぬものはないと噂ではないですか?」
「誰が言ってんのか知らんが、勝手なこと言いやがる」
と謙遜するが、あの狂血鬼を捕まえたのはこの人である。
実力はもちろんダブルマイスター並みなのだが、本人の希望によりダブルマイスターとして名前を登録されていない。

どうやら面倒事が嫌いらしい。
まぁ魔法協会も優秀な人材を遊ばせておくほど人が足りているわけではないので、あの手この手を使いなんとか執行者にしたのだろう。
「ところで、クドリャフカ・ユーフォリアを知らんか?なんでも行方不明らしく俺のところまで連絡がきた」
「クーリャ……ですか?いえ、すみませんが心当たりは……」
「そうか、見つけたら教えてくれ。つってもあの小娘に本気で逃げられたら捕まえる自信はないがな」
意地でも捕まらなさそうであるのは同感だった。

マークさんに別れをいい、魔法協会に顔を出すと綺羅綺羅世界ことワンダーちゃんに捕まった。
「雅ちゃーん!」
「げ!」
「げ!って何よ、げ!って。乙女に対する反応じゃないわよん!」

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