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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 46

まずは枷をなんとかしないと。
幸いなことに枷自体には魔法効果はないらしい。
静夢に危害が加わらないように小さい雷を発生させて、枷に繋がってる鎖を切断する。
あとは電光石火。
雷の速さで静夢を連れて逃げるだけ。
「静夢…逃げるよ、捕まって…?」
「あら?どこに逃げるのですの?」
「!?」
「いけないですわ?私の静夢を連れていくなんて♪」
「…………っ…あ…」
思わず胸を押さえる。
大丈夫?まだ私、生きてる?
あまりにも自分の命が儚いものだと思うくらいのトラウマが、私の心臓の鼓動を高鳴らせる。
一瞬の死がまるで目の前にあるかのような感覚。
瞬きすら死に繋がるのではないかと錯覚すら感じる。
隣り合わせの死に怯えながら、ゆっくりと声のほうへ振り返る。
「ごきげんよう、葉桜雅さん。2年振りね?お身体は大丈夫かしら?」
彼女はスカートの両端をつまみ、可愛らしくお辞儀をした。
少女の皮を被った獣がそこにはいた。


episode 23
「monster -モンスター-」


「ああ、私、心配でしたのよ?あの時、皆さんを壊しすぎてしまったかなと」
「ほら…言っても私たちはまだ若く、恋とかいろいろとしたい年頃だったでしょう?それなのに私ときたら…少しはしたなかったと反省していますの」
「 少しやり過ぎてしまったことは理解していますわ?その…貴女達の貴重な時間を中途半端に奪ってしまったのは事実」
 「でも貴女方も貴女方ですわ?私はただ一目惚れの相手を迎えにいっただけですもの」
「それなのに貴女方…というか魔法協会の方々は攻撃してくるわなんだで…非常に物騒じゃありません?」
「人の恋路を邪魔する人はペガサスに蹴られて死ぬと言うじゃありませんか?……ユニコーンだったかしら?」
「とにかく反省…いえ、猛省した結果、中途半端に貴女方の時間を奪うのは逆に良くないと思いましたの」
「だから葉桜さん、お選びください」
「ここで静夢を置いて逃げるのなら、他の二人の中でお一人だけ、殺しますわ」
「貴女ともう一人には危害を加えません」
「もちろん静夢も」
「さぁ、どちらかをお選びに♪」

アリス・ヨルトセッド。
それが彼女の名前である。
ただ、2年前から世間的にこう恐れ呼ばれることになった。
規格外破壊(イレギュラーデストラクション)。
新規のダブルマイスター。
ヨルトセッド兄妹の妹。破滅のアリス。
人によってはダークモンスターとも呼ぶ。
少女の皮を被った獣、とも呼ばれた。
彼女は貪欲に破壊する。


「さぁ、お選びなさいな?」
「選べるわけないでしょっ!」
震える足に力を入れる。
大丈夫、私は強くなった。
2年前とは話が違うのよ。
トラウマなんてはねのけるっ!
「…美空、クーリャ…プランイレギュラー!通信以上!」
「「了解」」
バチィ!
全身を雷化させる。
これで私の速度は最高速度まで届く。
「戦う、ということなのかしら?」
「前のようにいくとは思わないで」
「仕方ありませんわね…それでは貴女からにしましょう」
パチン、とアリスは指を鳴らした。
すると、ザスッ、っと空から大きな槍が落ちてきて、アリスの隣の地面に刺さった。
実にアリスの身長の2倍はあるその槍を片手で持ち、その切っ先を私に向けた。
その槍の名は破壊槍エクシーヴァ。
破壊神をさらに越える名の槍である。
「それではいきますわよ?葉桜さん?破壊される用意はできてます?」
「貴女こそ痺れる用意はできてる?」
破壊と紫電が再び合間見える。


最初にアリスと戦ったとき、最初に破壊されたのがあのクーリャだった。
あの槍は、魔法すら破壊する。
それが分かっていたのなら対処できていたのかもしれない。
クーリャはティアーオブクイーンを発動すら暇もなく、『とりあえず張った』水の壁をいとも簡単に破壊され、あの槍に貫かれた。
「クーリャぁぁ!!」
「さようなら…偽物の天才さん♪」
ゲフッ、と血を吐き、貫通された槍を引き抜かれた瞬間に血を噴き出し、その場に倒れたのだ。
次に破壊されたのが美空。
クーリャの状態に一番冷静だったのは美空である。

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