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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 42

ま、どちらでもいいのだけども今更魔法兵隊を出しても時既に遅し。
雅は目標と接触してるだろうし、私も余裕で定位置につけた。
「こちらビーイー、定位置で待機。今後、プラン変更まで子猫ちゃん達の迎撃をします」
通信を切った途端、魔法兵隊は私に気付いたのかこちらに向かってきた。
遅すぎるわよ貴方達。
ここの迎撃システムは目標に接触しようとするものを片っ端から排除するようになっている。
その排除のために魔法で作られた兵隊がわんさか出てくるのだけども、その兵隊を止めるのが私の任務。
兵隊と言っても鎧を着て、槍を持って列になってくるんじゃなくて、魔法使いなだけ。
問題はその数。
今回は…そうね、私の見立てだと2000くらいかしら。
と思ってたけども、よほどびっくりしたのかもっと増えそうね。
魔法で作られた無機物の疑似兵隊だからって、好き放題作りすぎじゃない。
3000…?いや、5000は超える?
中々の歓迎っぷり。
1対5000。
数的に圧倒的に不利。
どれだけ目標を私達に渡したくないのよ。
まぁ私も奪われたときは自分の力の無さに絶望したけどね。
いいじゃない。はいはい、やってあげますよ。逆に言うと面白くなってきたじゃない?
世界を敵に回しても、目標…いえ、しーくんの味方になるって言ったのは私だし。
女に二言はないのです。
目の前の5000の子猫ちゃん達に手のひらを向ける。
それに、正直どうにかなる。
それでは開演の時間になりました。
パーティーの始まりです。



爆音が響く。
爆弾が爆発したかのように猛火が、5000の魔法兵隊を真っ二つに割る。
魔法兵隊達は無機物の産物、所詮使い捨ての兵隊達だ。
つまりそこには恐怖という感情は持ち合わせていない。
そんなものは邪魔なのだ。
機械的に、敵を排除するのみ。
だがしかし、その蒼い猛火は5000あった兵隊を一瞬で1000減らしたのだ。
魔法兵隊達は、つい、足を止めてしまった。
その、つい、の理由が分からない。
何故、自分達は足を止めたのだ?
分からない。そんな感情は知らない。
しかし、次の一撃で数は1500減り、残りは2500となる。
もっと増員だ。
まだまだ足りないぞ。
そして、魔法兵隊達は気付くことになる。
いったいどれだけ兵隊を用意すれば、目の前の女を排除できるのだろうか。
答えは出ない。
その代わり気付いた感情があった。
そうか、これが、恐怖というものか。
気付いた時には、もう既に遅かったのだ。
目の前の女の眼は紅に光る。
その蒼い炎はたちまちに自分達を飲み込んだ。



紫の雷と蒼い炎を見た。
ブイツーの魔法は綺麗だと思うし、ビーイーの魔法は力強いと思う。
それでは私の魔法はどうなのだろうか?
「こちらブイツー!着地成功!静夢を回収するわよ!いい、ピーツー?」
「いいよ。もう面倒だからコードネームで言うのやめない?ミヤビ」
「もうバレちゃってるからいいけど、私の了承を聞く前にもうやめてるじゃない」
「ありがと」
「いや、誉めてないから。じゃあ静夢に触れるよ?番犬の迎撃よろしくね?」

私の魔法は、神秘的でありたい。

目の前の石像が割れ始める。
「だぁぁぁぁれだぁぁぁ!」
同時に轟音が響く。
ミヤビがシズムに接触したことにより、番犬が目覚める。
目覚めると言ってもベッドから起きるわけではなくて、大きな彫刻がまるで殻を破るかのように肉体となった。
身長的には私の5倍くらい?
巨人という人種がいるのは知っているけれども、初めて見た。
「おはよう、番犬さん」
「朝霧静夢に触れるな!殺してやる!」
心底こういうタイプは好きになれない。
まず会話って大切だと思うの。
頭の中も筋肉って本当に馬鹿。
「ねぇ」
手を振り上げるようにして、番犬の顔に白い水を掛ける。
「む…なんだ小娘。俺は今忙しいのだ!」
と言うと、私の横を走り去っていった。
およそ5m強の巨人の疾走である。
その余波として土はめくれ、ブワッと突風が吹いた。
セットした髪が崩れちゃうじゃない。

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