PiPi's World 投稿小説

マジカルガールロンリーボーイ
その他リレー小説 - その他

の最初へ
 39
 41
の最後へ

マジカルガールロンリーボーイ 41

そして彼は魔法協会の最深部にいるという。
「こんなものかな?」
「何をなさってるのですか、お兄様?」
「ん?いや、執筆だよ。世界の真実を書いているんだ」
「またですか…あまり根を詰めすぎないでくださいね?妹は心配です」
「大丈夫だよ、自分の体調はよく分かっているつもりだよ」
「そうですか…あれ?お兄様?未知数物質のことはお書きにならないのですか?」
「未知数物質のことを書いたら、バレてしまうだろう?」
「くすっ…それもそうですね?まったくお兄様は本当に意地悪です」
「ふふ…いや、僕はただ静かでありたいだけなんだよ」
「分かっていますわ?あ、お兄様…その……ひとつだけお願いがあるんですの」
「なんだい?言ってごらん?」
「私、朝霧静夢が欲しいですわ?」
「そうか…ふむ…」
「ダメ…でしょうか?」
「…………他のものならばいいが…よりによって孤独迷子か…」
「ええ。お兄様だって知ってるでしょう?あの方の凄さを?」
「忌々しい記憶だよ。しかしまぁ…そうか…だがな…」
「お兄様!」
「分かった分かった、そう大声を出すな、はしたない…」
「やったー!」
「まったく…では私も表舞台に出るか」
「はい♪お兄様♪」

episode 22
「new start -アラタナハジマリ-」


「こちらブイツー、ビーイー、そっちの状況は?」
「こちらビーイー、いつでも」
「こちらピーツー、問題なし」
二人の簡素な応答が返ってくる。
大事なオペレーションにも関わらず、この落ち着きようはさすがに私ではまだ真似できない。
「了解。ではオペレーションワールドイズマイン、開始」
「了解」「はーい」
ビーイーの気の抜けた応答は置いといて、私も動かなければいけない。
「こちらピーツー、目標は依然動かず」
「こちらビーイー、私の方は準備万端。いくら出てこようが大丈夫」
「了解、じゃあ落ちるわよ?」
地上からはるか上空に私はいる。
空と宇宙の間。
無音の世界。
見上げれば満点の星。
手を伸ばせば星に手が届きそうだ、なんてロマンチックなことは言ってられない。
今回の目標はあくまで宇宙(そら)ではなく地上(した)なのだ。
大丈夫、目標は見えている。
ここから急速落下し、目標の目の前に着地するのが今回の私の任務。
さすがにあちらさんの迎撃システムも、はるか上空から敷地内に着地されるのは想定外だろう。
まずはここで、一歩先を取る。
ビーイーもピーツーもできない、最速の私だからこそ…いえ、私にしかできないこと。
緊張はしてる。不安もちょっぴりある。
でも、自信はある。
自分を信頼しろ。
さてと、じゃあ落ちましょうか。
空気も薄いし、なにより寒い。
絶景は絶景なのだけれども、あまりいいところじゃないし。
こんなところは早くサヨナラしちゃいましょう。
待っててね、静夢。
今から迎えにいくから。
初めて貴方と出逢ったときと同じく

落雷のように。


綺麗な紫色の雷が落ちた。
どうやらブイツーは成功させたらしい。
目標の目の前に落ちることができたかどうかなんてここからじゃ確認できないけれども、あの娘はやればできる娘だからきっと大丈夫だろう。
それよりも自分の仕事に専念しないと。
私も境界内に一歩侵入する。
突如鳴らされるサイレン音。
私もブイツーもきっと気付かれたでしょう。
紫色の雷なんてあの娘しかいないし、なにより雲から落ちるんじゃなくて、宇宙から落ちてきてるし。
まるで紫の彗星。
うんうん、予想通り。
あちらさんは急なお客さんに慌ててます。
迎撃システムを自動にするのはいいけど、サプライズに弱いのは弱点だと思う。
いや、サプライズというよりアクシデントか。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す