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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 36

「教えると思う?」
「教えないと、殺します」
「それは私がさせないわ」
ワンダーちゃんが前に出る。
「ワンダフルワールド、唯一この魔法世界で魔法を打ち消すことができる魔法使い…ね?さっきの私のオーバーデス(過剰殺戮)を防いだのも貴方ね?」
「ええ、悪いけど…この子達は殺させないわ」
またも悪夢蘇生の眼が白目になる。
不気味、という言葉を漂わせながら一歩ずつ近づく。
「ふん…でも残念。私…アイマの場所を知ってるの」
「だとしてもさせないわよ。その眼は貴女だけじゃないわ」
クーリャの眼が光り、水の弾丸は悪夢蘇生の足を貫いた。
ぐにゃりと悪夢蘇生は体勢を崩し倒れる。
「こうして貴女をここから一歩も動かさないことくらい容易よ?」
「うふふ、痛い。でもね?ワンダーちゃんなら知ってるでしょう?もうどうにもならないことを」
「……っ…場所を知られてるのは想定外ね」
「どういうことだワンダーちゃん?」
「悪夢蘇生のもう1つの魔法、リスタートがあるわ」
「リスタート…?」
「んああああああ!」
絶叫をあげ、悪夢蘇生は死んだ。
バタリと動かなくなる。
そして同時に悪夢蘇生の体は粒子のように霧散した。
「まずいわっ、もう悪夢ちゃんはアイマの部屋に着いている!リスタートはね、場所さえ知っていればその場所に現れて生き返るのよ!」
驚愕の魔法に叫ぶ。
「ワールドイズマインっ!!」
あらゆる部屋をショートカットし、アイマのある部屋の扉の前に自分を飛ばす。
扉を開けると、悪夢蘇生はアイマを大事そうに持ちながらも浮かんでいた。
「この部屋、凄いね…着いてから50回くらい死んじゃった…。でも…これだよねアイマ?」
「やめないと貴女の未来を消します」
「本気ね、孤独迷子さん?ふふん、困る?これを壊されるのは?本当の自由になれるのよ?」
「………それは」
「へぇ、悩んでるんだね?誰もがおかしいと思うわよね?全てがその通りと言うのなら、全てがタイムテーブルとして仕組まれた世界ということだもんね?」
悪夢蘇生はくすりと笑う。
まるで悩んでる僕を見透かすように。
「どっちがいいの、孤独迷子さん。決められた世界か、本当の自由な世界か…」


episode 20
「 truth -シンジツ-」

僕はいつもこうだ。
目の前に2つの選択肢があるとして、その選択を迫られたときに3つめの選択肢を用意する。
それは、逃げる、という選択肢。
一番それが楽で、その選択肢ばかりを選んできた。
今回もそうだ。
決められた世界、本当の自由な世界。
そして、そんなの知らないとこの場から逃げること。
でも、僕は今でも思う。
雅とした約束がある。
ああ、なんでこんな約束をしてしまったのかと思う。
それは逃げない約束だった。
もし、この場で僕が逃げたとしても、雅は僕を殺さんばかりに追いかけてくるだろう。
いや、追いかけてもくれないかもしれない。
そうなるとやっぱり寂しいんだよ。
彼女は僕の初めての友達なのだから。
「やっぱり逃げられないな…」
「いいよ、逃げても?」
「いや、できないや。な、悪夢蘇生?本当の自由な世界が欲しいんだよね?」
「そう。だからこのアイマを壊すの」
「うん、壊そう」
「え…?」
「本当の自由な世界。アイマに縛られない世界…神には悪いけども、僕もそのほうが良い気がする」
「へぇ…」
「でも、少し引っ掛かることがある」
何か違う。
考えてみろ。
このアイマが存在する意味を。
世界の物語が、既に決まっている?
なぜ、決めた?
このアイマを作ったやつは、なんでこんな誰からも反対されるような物を作った?
「じゃ壊すけど?」
「悪夢蘇生、1つ聞いて良いか?」
「ん?なに?」
「この魔法世界はどう作られたか分かるか?」
「どうって…魔法で作られたんじゃない?」
魔法で世界を作った…?
ならば最初は現実世界しかなかった?
何らかの理由で、魔法世界を作らなければいけなかった。
作るだけなら、こんな面倒なことを?
「壊すけどー?」
「もう1つ」
「うざい」
「そのアイマ、読めるか?」
「読めるけど…?壊すつもりだから中身は見てない」
「一番最初のページ、この世界の始まりはなんて書いてる?」
「えー、と?この世界はこの世界の人間によって作られている、未来は偽物であり、本当の未来は永遠に得られない、なにこれ?」

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