PiPi's World 投稿小説

マジカルガールロンリーボーイ
その他リレー小説 - その他

の最初へ
 33
 35
の最後へ

マジカルガールロンリーボーイ 35

私は死ななかったこと。
いや、死んだ。生き返った。死んだ。生き返った。シンダ。生き返った。死んだ。イキカエッタ。シンダ。イキカエッタ。シンダ。イキカエッタ。シンダ。イキカエッタ。
誤算があるのナラ…
死ななかっタコトじゃなく、シネなかッタことダロウ。
「ぴゃらぁぉああああアアアアアァァァ!!!!」
「あは。良い声…」


断末魔が響いた。
ベッドから飛び上がるようにして起きる。
その叫びからして、危険の足音を感じた。
時刻は深夜1時。
寝ぼけた頭から、カチリと戦闘モードのスイッチを入れる。
隣の部屋にいるワンダーちゃんを起こしにいく。
「夜這い…じゃなさそうね。分かってるわよ。気を付けて迷子ちゃん。化物がいるわよ」
という言葉に身体を震わせる。
どうやら一瞬だけ神並みの魔力放出があったらしい。
「三姫は?」
「ダメよ。正直…足手まといよ」
「誰が足手まといだって?」
ふと後ろから声を掛けられた。
そこにはクドリャフカ・ユーフォリアが凛として立っていた。
「クーリャ…他の二人は?」
「起きてたけど…寝かせておいたわ。邪魔だから」
「ちなみにどうやって?」
「乙女の秘密よシズム♪」
なにそれ怖い。
「私は連れていってもらうわよ、ワンダーちゃん?」
「仕方ないわね…いざとなったらその瞳は逃げるためだけに使いなさい?」
「ええ。分かりましたわ」
周りに危険が無いか気にしながら進むというのは非常に疲れるものである。
そんな中、ワンダーちゃんだけはそんな素振りもなくズンズンと進んでいく。
「シズム、あの人、まずいと思うのだけれども」
「僕もそう思う。わ、ワンダーちゃん?」
「ん?なにかしら?」
「もう少し周りを警戒したほうがいいと思うけど…?」
「そう?でも私、そういうのよく分からないのよねぇ…心配してくれてありがとーん♪」
「うう…」
ワンダーちゃんに抱き付かれる。
助けを求めようとクーリャを見ると、まったく明後日の方向を見ていた。
「でもね迷子ちゃん、相手は分かったわ」
「相手?」
ふとワンダーちゃんが見つめている方向を凝視した。
そこには人が倒れていた。
「近付いちゃダメよ迷子ちゃん、クーちゃん。彼女は今、死んでいる」
「ん?死んでるのならいいんじゃないかしら?」
「クーちゃん、ダメよ。普通のものさしで考えちゃ。これからの戦いは異常しかないわ。いい?」
「分かったわ。で、アレはなんなの?」
「悪夢蘇生…ダイイングライブよ。一番厄介なダブルマイスターが来たわね」
「呼んだ?」
彼女はゆっくりと生き返った。
上半身だけ起こし、目を開けた。
「白い……眼…?」
「ワンダフル!」
「え…?」
ワンダーちゃんが叫ぶと同時に、僕たちの目の前に光るヴェールができる。
「相変わらず、えげつないわね」
「ワンダーちゃん?説明してくれ」
「悪夢蘇生は2つ、厄介な能力を持ってるの。1つがあの眼、ティアーオブクイーンよ。色は白。能力は範囲内の命を奪うの」
「……また直接的ね。命を奪うって」
「気を付けて欲しいのは命を奪ってしまうこと。彼女が今まで何人殺したのか分からないけども、その人数分彼女は命のストックがあり、生き返ることができるの。さらに言えば他人を生き返させることもできる」
人を殺し、その殺した命を自分の命とする。
自分の命が無くなれば、まるでゲームのように次の命を吹き込まれ、生き返る。
そうなると、彼女の命はどれくらいあるのかという話になる。
ただ、それは既に絶望的な数字らしい。
殺しても殺しても、殺し足りないくらい生き返る。
その特殊すぎる能力を彼女は持っていた。
命というものをいとも簡単に扱うことかできる。
「でも殺すことができるなら、やりようはいくらでもあるじゃない。ちょっと消耗戦になるけども」
「喋りすぎ」
光のヴェールの向こう。
悪夢蘇生は感情のない声で言った。
「久しぶりね、悪夢ちゃん。元気に死んでそうね?」
「もう死ぬのも飽きたわ…」
フラリと立ち上がってもヨロヨロと立ちくらみでもしてるかのように頼りない。
「ねぇ、あなたたち…アイマって知ってる?私、それを壊すために来たの」
ティアーオブクイーンを使う気ないのか、眼は黒い。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す