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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 34

それもそうだ、30代前半の男性がだ。
上からタンクトップにミニスカートで、ニーソックスで、パンプスというラインナップだった。
もう僕は感覚が麻痺してきて、服着てるから大丈夫じゃん、などと思ってしまっている。
どうやら三姫と会うのは初めてらしく、テンションが上がってるらしい。
「なにそれ、私も姫がいい」
なんて言い、下着姿(もちろん女性下着)にティアラのみで三姫の前に出ようとしたのを慌てて止めたのである。
もうなんかこの人は住む世界が違う。
というか一生同じ世界で住みたくない。
「わぁ☆みんな可愛いのね♪よろしくね、綺羅綺羅世界改め、四姫のワンダーちゃんです♪」
増やしたよ?
この人増やしたよ?
自ら四人目を名乗ったよ?
「えーと……?」
最初に声をあげたのは美空ねぇだったが、明らかに困っているようだった。
そんな美空ねぇに助け船を出したのか分からないが、この空気を切り裂いたのは雅とクーリャだった。
「「キモい」」
容赦なかった。
「うわ、ちょ……えぇっ?どゆこと?この服、ダメだったかしら?」
明らかに動揺するワンダーちゃん。
というか服のせいにするな。
「あらミヤビ、意見が合うなんて珍しいわね」
「いやだってねぇ?これはないわよ」
「ないわね」
「ないない」
「そんなにないない言わないでよぉ…せめてどこがダメなのか教えてよぉ…」
ワンダーちゃんが泣きそうである。
あとコイツ、自分自身が悪いなんて微塵も思ってないあたりが酷い勘違いだ。
「ま、仲良くしろ。見た目はアレだが魔法使いとしては確実にお前らより強い」
「ちなみに、どんな魔法なんですか?」
「んー…ま、それはおいおいで」
「えー…」
「そんなことより、今日、俺が決着をつける。神として悪を粛清する」
今日の作戦はもう決まっている。
神による粛清。
「ま、お前らは普段通りに生活してろ。明日の朝には終わってる」
ケケケ、なんて笑いながら神はワインのグラスを傾けた。



Chat Time 
「night」

「ここか…」
「お待ちしておりました神!なにとぞ!この村をお助けください!」
「ああ、下がってろ。さてと…まずはどいつじゃ…」
「お、よーう、神さん!」
「む、いきなりバカコウモリか。探す手間を省けたな」
「へへっ、やっぱり予想通りだな。ブレイカー?」
「ふふ、魔法協会なんてそんなものだ」
「なに?悲恋主義者、それはどういうことだよ」
「いや、なに。私たちを一番手っ取り早く、犠牲を最小に始末するならば神の単騎攻撃は十分考えられます」
「ほう?予想はしてたか。でも止められんのか?俺を」
「私一人では難しいでしょうね」
「あん?やけに素直だな」
「ええ。しかし今、アイマは無防備になる」
「!!」
「お相手お願いしますよ神。ここには私と狂血鬼含めて4人のダブルマイスターが貴方の足止めだけに戦います」
「…っ……あっちには誰が行った?」
「悪夢蘇生、にお願いしました」
「よりによってか…ふん、これは、ヤバイな…」
「きゃはは!神ぃ!俺らと遊ぼうぜ。朝までなぁ!」


episode 19
「death girl  -ダイイングライブ-」


ふと、魔力の乱れを感じた。
気がつかなければ気がつかない、ただ気がついてしまった以上気になる。
ちょっとした好奇心に近い衝動。
なにもなければなにもなかったで、今日も平和に過ごせただろう。
ただ、残念なことに私はハズレを引いてしまったらしい。
怨むのなら何を怨む?
今日、私をここの門番としてシフトさせた上司?
それとも魔力探知という分野に全力を注いだ学生時代の自分?
あるいは、そのアイマとかいう本?
笑えてくる。
あまりの絶望に、顔が歪む。
さようなら、この世界。
私はただ門番Aとして死んでいくのだろう。
ただひとつ誤算があるのなら。

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