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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 32

さすがに声をかけてしまう。
お互いに魔法の初動作に入っていたところだ。
いや、しかしどうなのだろう。
このまま二人が戦うことで切磋琢磨してくれるなら、それはいいことだと思う。
これからの戦い…クレスと戦うのであるならば、尚更戦闘力アップは必要だ。
それに、この二人だ。
さすがに常識人だから、瀕死の重傷を与える、なんてこともないだろう。
考えること10秒。
僕は声高らかにこう言った。
「ファイッ!!」
「「ああああああぁぁぁっ!!」」
歩き去る後ろでは蒼い炎と白い水がぶつかる。
うん、友情っていいよね。
その後、雅から昔、あの二人は焼死と溺死しかけたほどの大喧嘩をしたことがあると聞いて、慌てて止めにいったのはそれから10分後だった。


Chat Time 
「enemy」

「あぁ、雅…実はささっき美空ねぇとクーリャが…」
「……………………」
「雅?」
「アンタ…もう傷はいいの?」
「あぁ…どうやら治癒魔法を使ってもらったらしくてね。もう大丈夫だよ」
「そう……その………たわ」
「ん?なんて?」
「だからその…悪かったわよ。あの化け物に追い付かれて」
「え?あ、いや、あれは雅のせいじゃなくて、クレスがおかしいだけで…」
「…………慰められるのは好きじゃないの、なんて、これも負け惜しみか…まだまだ遠いなぁ…ダブルマイスターは…」
「そういえば、クレスのほかに他に4人、ダブルマイスターが敵となったんだよね?誰だか分かる?」
「あぁ…狂血鬼(バーサーカーバンパイア)、電波妖精(フェアリーニート)、玩具箱(ピーターパンドラボックス)、悲恋主義者(ハートブレイカープレゼンター)、悪夢蘇生(ダイイングライブ)」
「永久乃童子もいるのか…」
「そうね…私的には悪夢蘇生が気になるけどね?不明のダブルマイスターだったから」
「へぇ…というか物騒な名前だよね…」
「ダブルマイスターになった時、変な名前になったら嫌よね…」
「いや、僕…孤独迷子なんだけど」
「で、美空とクドリャフカがどうしたの?」
「今、絶対話流したよね!?」
「うるさい。で?」
「あ、いや…大したことじゃないんだけど、あっちで喧嘩してた」
「なっ!?馬鹿、早く言いなさいよっ!!」
「え?どうして?」
「あの二人はだれか止めてあげないと本気でどちらかが死ぬまで喧嘩し続けるのよ!」
「え…それは、止めにいかないと…」
「当たり前よ馬鹿!」


episode 18
「wonderful world -キラキラセカイ-」

どうやら、僕はクレスを誤解していたらしい。
彼はもう少し思慮深く、ユーモアがある性格だと思っていた。
しかし、それは彼の性格の中の一つであり、基本的には彼は狂っている。
僕はあの牢屋の中と教会での会話でしかクレスを知らない。
それなのに、彼をどんな奴か分かっていた気になっていた。
だから、犯行声明があったとしても、どこか彼を信頼していた部分があったのだ。

犯行声明があった夜、ある村の人間が全員殺された。
見せしめ、なのだろうか。
その村の広場にはこう綴られていた。

アイマを差し出さない限り、自由への渇望は止まらない

この事実は民衆を震え上がらせ、なにも知らない人たちはアイマを差し出すことを魔法協会へ抗議し始めた。

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