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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 4

………………………あれ?
「ん…逆立ちしなさいって」
「え…いや、出来ないけど…?」
「出来ないとかじゃなく、主からの命令は絶対なんだから、出来なくても体が勝手に動くはず……だけど…そうね、まずはじゃあ立ちなさい」
と命令されても僕はまだ腰を抜かしたままだった。
「立ちなさいよっ!」
「そんなこと言われてもっ!失敗したんじゃないの?」
「そんな訳が……あれ…?」
彼女は小指にはめた指輪を取ろうとしたが、取れなかった。
「え……嘘…これってもう取れないの…?」
じわりじわり、と嫌な予感が広がっていた。
「ダメ…取れない……もう…どこで間違ったかなぁ?」
また彼女は携帯電話を取り出し調べ始めた。
どうやら失敗したらしい。
僕としては痛いことをしなくても済みそうなので万々歳である。
「よいしょ」
ようやく立ち上がった僕は空を見た。
まだ先程までの暗雲が残っている。
せっかくの綺麗な星が見えないのは残念で仕方ない。
「あの……」
「なによっ……」
彼女は携帯電話の画面から目を離さずに、声だけ聞いてくれた。
「空の雲…晴らせないですか?」
「うるっさいわね…今、こっちは……!?」
彼女は手を空に向けた。
同時に暗雲は四散し、満天の星空が戻った。
「え……!?……え……!?……なんで…?………まさかっ…!!」
彼女は何かに気付いたのか、しゃがみ込めば頭を押さえた。
「あ…あの…大丈―
「ねぇ…あの…さ……私に、なんか命令してみて」
「え……?命令?」
「いいから……はやく」
「えーと……じゃあ、名前教えてください」
「………っ…葉桜雅(ハザクラミヤビ)っ…」
彼女はまた舌打ちすると、僕をキッと睨んだ。
「今すぐ契約を破棄しなさい…そうしたら命だけは助けてあげる」
彼女がゆっくりと僕に近づき、手のひらを向けた。
「もし刃向かったら……分かってるわね?」
分かっている。
こんなチャンス、滅多にないことくらい分かっている。
「僕に危害を加えないで欲しい」
自分の力じゃないことは分かってる。
でもこればっかりは本当に昔から望んでいたことなんだ。
「なっ…!!アンタっ…ふざけないでよっ…!!私はアンタの下僕なんか―

「下僕になんかなって欲しくない……僕の友達になって欲しい」


誰か一人でも僕がこの世界にいることを許して欲しい。
「友達……?何言ってんの?」
「僕は友達がいないんだ。学校でもいじめられていて、正直もう行きたくない。今日は自殺しようとしてたけど、君に邪魔された」
僕は木にくくりつけた縄を指を差す。
「だから君は責任を持って、僕の友達になって欲しい」
思いの丈をぶつけた。
これでダメなら諦めよう。
大人しく死のう。
「……………いやよ」
「そっか…そ―

「でも薄情な女と思われるのはもっと嫌なの」

「え………」

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