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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 17

呪われた魔犬・ケルベロス。
聖なる一本角の馬・ユニコーン。
生物界最強の暴君・ドラゴン。
ありとあらゆる魔獣、幻獣、神獣を僕は従えてる。
その数、27694。
本気になったら、こんな世界終わらせることができる。
いや、もう終わらせよう。
朝霧静夢を殺したあとは、世界を滅ぼそう。
僕はピーターパン。
大人なんて、くそくらえ。
ネバーランドを作ってやるよ。
僕だけが何も傷付かない世界。
僕が世界の中心の世界。
「驚いたかい、朝霧さん。こいつら全て僕の友達なんだ。ハハッ…今からこいつらに貴方を殺せと命令するよ。どうだい、怖いだろう?またプルプルと逃げればいい!」
「不思議だ」
「はぁ?」
「ちっとも怖くない。それどころか、なんでもできそうだから、早く試したい。僕の魔法を」
なんっだとっ!?
こいつ、どれだけ俺を怒らせれば気がすむんだ!
「だから今は恐怖より…興奮のほうが勝っている」
絶叫に近い命令を下す。
「朝霧静夢を殺せェェェェ!!!!」

27694の獣が朝霧静夢へと襲いかかる
―はずだった。
その獣達は皆、見えない恐怖に怯えるかのようにプルプルと震えていた。
本能が、コイツに関わってはいけない、と警告を出している。
「なにしてるお前ら!早くアイツを…!?」
と言ったところで僕も気づく。
実はとんでもないものに楯突こうとしてるのではないか。




僕、朝霧静夢は、魔法使いである。
と、認識したのはまだ幼い6歳頃だった。
認識したというか、周りとの違いに気付いた。
みんなが『できない』ことを、僕には『できる』。
でもそれを僕は優位に思わなかった。
むしろ不愉快で気持ち悪いと思ったのだ。
ああ、僕は、みんなとは違う生き物なんだ。
だから孤児院に入るまではそれを必死に隠していた。
孤児院に入ってまもなく、僕のソレは封印された。
何故封印されたのかは分からない。
でも僕は自ら望んだのだろう。

特徴があるとかえって気持ち悪いものなんだ。
そして今、封印は解かれた。
僕はこの忘れていたソレを、初めて心から必要と思ったのだ。
魔力は充分過ぎるほどに、満ち足りている。

おかえり。
僕の魔法『ワールドイズマイン』。
さぁ、世界を変えよう。


接続、開始―
断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線、断線………

僕の魔法は世界と繋がることから始まる。
と言っても、これが一番難しい。
世界というのはなかなかに拒絶的だ。
人見知りもいいとこ、清々しいほどに嫌われてる。
子供の頃はすぐできたのだけど、それは純粋だったからに違いない。
こちらから通信を試みても、すぐにバッサリ切れていく。
でも中には物好きもいるらしくー

断線、断線、断線、断線、断線、接続中…接続中…接続中……接続、完了。

こうして、繋がることを許してくれる。
あとは感覚のスイッチを入れる。
カチリ、カチリ、カチリ、カチリ…
一つずつスイッチをOFFからONへ。
全てのスイッチを入れる。
一番最後のスイッチは視覚のスイッチ。
カチリ。
途端、景色が変わる。
風の流れも、音の旋律も、星の瞬きもも、全てが美しい。
世界はこんなにも素晴らしい。


全感覚、正常接続(オールグリーン)ー
接続率999,999%(オールナイン)―
ワールドイズマイン起動


episode 11
「new world -シンセカイ-」


「ちっ…久しぶりにやらかすか」
このままじゃ勝てない、と悟る。
朝霧静夢がどんな魔法を使おうが、パンドラボックスというオーパーツには勝てないと思っていた。
だがもうパンドラボックスの通常モードでは難しいことを獣たちが表している。
だからパンドラボックスの『蓋をもう一段開ける』。
パンドラボックス暴走モード。
こうなるとパンドラボックスは僕の手では制御できない。
もう僕には蓋が閉められない。

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