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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 15

「どんな魔法か、だって?ふ…ふふ…あっはっはっは!」
「なにがおかしいの?」
「いやいや、知っているのなら教えてほしいよ。僕ですら分かってないんだよ!」
「分かってない!?」
「この『箱』だよ。パンドラの箱って知ってるよね?それがこれさ」
永久乃童子は大事そうに抱えている箱を宙に浮かせた。
「パンドラボックス…本物なの?」
「うん。開けてはならない禁忌を破ったんだよ!そしたらね、何でもできるようになったんだ!なんでかは知らないよ。ただ…君を殺したいと願えば、それは現実になる。ティンク!」
丸焦げになったぬいぐるみが、足下から再生していく。
「ケケケ…モウカードハキマッテイル」
3枚のカード。
その1枚…『貫怒鬼』が選ばれた。


episode 8
「one -1-」


美空ねぇはどうなったのだろう。
僕は逃げることしかできず、それも雅に肩を貸してもらってなんとかだ。
情けないにもほど過ぎる。
「雅…ごめん…」
「なんであんたが謝るのよ!」
雅にも焦りが見える。今回の相手はダブルマイスターなのだ。
相手にした時点で負けのようなものである。
「美空ねぇは大丈夫なのかな?」
「ダメよ」
雅はきっぱりと言った。
「だ、ダメって!!なんで…!!」
「当たり前じゃない!相手はダブルマイスターなのよ?確かに美空は強いけど…話しにならないわ」
「じゃあ…なんで、なんで僕達は逃げてるんだよ!」
「はぁ!?ふざけないでよね!」
「いって!!」
雅が僕を投げるように突っぱねた。
「美空が…美空が私達だけでも逃げれるようにしたんじゃない!!馬鹿なの?その想いを無駄にするの!?」
雅は泣きそうな声で叫んだ。
その声なは悔しさが混じっているように聞こえた。
「もう…早く逃げるわよ。追い付かれないうちに」

「誰に?」

ぞわっと背筋が凍った。
一番聞きたくない声が聞こえた。
「静夢…逃げて…早く」
「み、雅は…?」
「お願い…逃げて…」
声が震えている。
雅は紫電をパチパチと纏わせた。
「ようやく追い付けた。結構時間が掛かっちゃった」
永久乃童子は僕達の前に姿を現した。
「美空は…どうしたのよ…」
「ああ…見たい?連れてきてるよ?」
永久乃童子が箱を開けるとティンクが出てきた。
そのティンクには長い槍が刺さっていた。
「ア…アア…イタイヨ…シークン…」
ぞわりと嫌な予感がした。
今、あいつは何て言った?
「あはははは!良い顔してるやあんたら!ご明察だよ、正解だよ!これが蒼空美空だ!ねぇティンク?」
「はい、マスター♪」
代わりに美空ねぇが姿を現すと永久乃童子をそっと抱き締めた。
「シークン…アレ…ナンデワタシ…イヤァァァァ!!」
「きゃははははは!最高だね、今日は!こんな可愛いパートナーを手に入れることが出来て、更には魔力も手に入る」
なんだ…この最悪な状況は…。
また僕は…何もできずに…こうして倒れているだけなのか…。
「美空…………静夢…早く逃げてっ!」
今度は雅がぬいぐるみにされてしまうのか……僕のせいで。
「…………………………だ」
「えっ…?」
「もう…たくさんだ。なんだよ…僕のせいでみんな不幸になってしまう…だったら僕はいないほうがいい…」



Chat Time 
「Lost Number」


「あの…ハンカチ落としましたよ?」
「む…?おお、すまないね青年。む…?青年…失礼だが私のことを知らないのかい?」
「え…と………?すみません、どこかでお会いしましたか?」
「いや………これだけの魔力にも関わらず、魔法使いではない?ふむ………」
「ま、魔法使い…!?」
「む…その驚き方は知っているようだね?安心しなさい、ハンカチを拾ってくれた恩人を殺しはせんよ」
「はぁ…では…その…用事があるので…」
「む…そうか。いや、君とはまたどこかで会いたいものだな」
「えっと……それでは…」
「ふむ……まさかダブルマイスターに会えるとはな。そして、自分が魔法使いだと思っていないとはな。ふっ…さらばだ消失迷子。君が力を取り戻す日は、そう遠くはない。この悲恋主義者が保証しよう」



episode 9
「zero -カクセイ」

「馬鹿っ…!!」
「えっ…?」
「逃げてとは言ったけど、いなくなってもいいなんて一言も言ってないでしょ!!」
僕の前に立つ雅は、その震える足を必死に押さえながら言った。
「アンタから約束破らないでよねっ!!今度…そんな戯言言ったらぶっ飛ばすんだから!!」

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