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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 13

「あぁ…君のだよ。朝霧さん」
僕は耳を疑った。
てっきり僕が彼に狙われる理由は、雅か美空ねぇのどちらかと思っていた。
しかし、彼の標準はまっすぐに僕に向けられていた。
「僕は…魔法使いじゃ…ない」
「確かに君は魔法使いではないのかもしれない。今もこうして僕から逃げることしかできないしね?ただ……君が気づいていないだけで、君には大量の魔力が内に秘めている」
僕に……魔力が……?
「だからね…僕がもらおうかと思ってね?」
彼はまた『箱』から何かを出した。
「おいで、ティンク」
彼が出したのは小学生くらいの女の子だった。
「紹介するよ、この娘が僕の一番強い仲間なんだ、ほら挨拶しな」
その女の子は両手でスカートを少し摘み、ゆったりとした動作で、まるで淑女のようにおじぎをした。
 「コンバンワァ、オニイサン。ワタシトアソンデクレル?」
その女の子はニタリと笑い、『3つのカード』を取り出した。

episode 7
「two -2-」


ティンク、と呼ばれる女の子はケタケタと無邪気に笑いながら、『3つのカード』を選び始めた。
「ンートネー、ンートネー…ドウシヨッカナ♪」
「こうなったティンクは時間が掛かるんだ。許してくれ」
ティンクはその場に座りこんで、カードを選んでいる。
僕はレオによって噛まれた足が痛すぎて立つことすらできない。なんとか痛みを抑えようとするも、微動だにできない。
それよりも、僕に魔力があるとはどういうことなのだろうか。
つい最近まで魔法使いに縁がなく、更に言えばいじめられっこだった僕だ。
魔力があるならとっくに使ってる。
「永久乃くん、どうして僕に魔力があるんだ?」
「それは僕にも分からない。ただ朝霧さんはダブルマイスターである僕ですら驚くほどの魔力を秘めている。数字で言えば、僕が100だとすれば、朝霧さんはざっと見積もっても1000はある。桁違いってやつだよ」
ダブルマイスターすら凌ぐ魔力が僕にはある。
しかし僕は魔法も使えなければ、力も弱い。
魔法使いから見れば……格好の餌じゃないか。
「ところで、朝霧さんは生まれはどこなんだい?」
ふと、その疑問を投げかけられた。
その答えは『知らない』というしかない。
僕は出身地、というものが分からない。
両親に聞く前に両親は死んだし、一番小さい時の記憶は孤児院にいつの間にか居た記憶しかない。
「僕は…出身地が知らないんだ。両親が早くに死んでね。気づいたら孤児院に居たんだよ」
「……孤児院?その孤児院の名前は?」
永久乃童子は僕の魔力の原因をよほど知りたいのか、孤児院の名前まで聞いてきた。
えー…っと、孤児院の名前は…

ザー、ザザー…ザー!

なんだろう。
そこにだけノイズが掛かってしまい、頭痛がした。
「…っ…………!?」

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