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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 12

寝っ転がっていた雅が「よっ」と起き上がり立つと、紫電を一気に活性化させた。
バチバチッとまるで雅の悔しさを表してるかのように、激しく音を鳴らし帯電していた。
「次こそは…勝つんだから…!」
しかし、その表情は悔しさだけじゃなく、次への挑戦の意志が垣間見えた。
「あの…雅…?」
「なによ?」
「……雅と美空ねぇ…あともう一人って誰なの?」
雅は10秒ほど考えて、こう言った。
「……言いたくない」



episode 6
「three -3-」


「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…!!」
僕は今、必死に逃げている。
何に?
言うまでもない。
悪い魔法使いに見つかったのだ。
どうやら僕は魔法使いによく遭遇する才能を持っているらしい。
雅に会ってからというもの、これで4人目である。
雅に会うまでどうだったかなんて分からないけど、おそらく知らず知らずにすれ違っていたに違いない。
美空ねぇにいたっては小学生の時だ(ちなみに先程の4人は美空ねぇもカウントしている)。
さすがに頻繁だが、4回目でようやくハズレを引いた。
しかも大ハズレだ。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…ぐあっ!」
大きく転ぶ。
膝を擦りむいたのか真っ赤になり、血が滲み出ている。
関係無い。
今は雅も美空ねぇもいない。
誰も助けてくれる人なんていない。
だから、僕はアイツからただ逃げるしかない。
「はぁ…はぁ…はぁ…っ…!」
足がガクガクする。
酸素が足りない。
今にも倒れそうだ。
「無駄だよ」
その幼い子供のような声が響いた瞬間、僕は足を何かに噛まれ倒れてしまった。
「ぐぁぁぁぁぁぁっ…!!!」
痛い。
痛い痛い痛いいたいイタいっ!!!!
僕は今、何に噛まれた?
痛みに泣きながら足を見る。
血だらけの足に大きなネコ科の怪物が噛みついていた。
ライオン?いや、もっと大きい!そんな動物園やテレビで見たような奴じゃない!
「その子の名前はレオ……バーバリライオンという種類のライオンだ…おいでレオ」
怪物は僕の足を離すと、彼に近づき頬擦りをした。
「逃げても無駄だよ朝霧さん。僕には何万という方法で貴方を捕まえる仲間を持っている」
レオ、と呼ばれた大きいライオンは彼が持っている小さな『箱』に吸い込まれるように入っていった。
「あぁ申し遅れたね。僕の名前は永久乃童子(トワノドウジ)。よろしくね。じゃあ次はどの子を出してあげようかな」

ピーターパンドラボックス。
それが彼のもう一つの名前である。
彼が持つ『箱』からは彼が『仲間』と呼ぶ様々な動物が出現する。
居場所不確定のダブルマイスター。新たな『仲間』を探し求め、旅をしている。
彼の『箱』の中身自体が彼の魔法であり、彼自身は子供じみた大人である。
そう……間違いなく彼は大人であるのだ。


「僕はね、君の魔力が欲しいんだよ」
「え……僕…?」

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