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マジカルガールロンリーボーイ
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マジカルガールロンリーボーイ 11

ずっと俯いてる雅が気になったが、僕は美空ねぇに付いていった。


パンッ!
ビンタされた。
「馬鹿っ、しーくん……あと数秒遅かったら丸焦げになってたんだからね?」
「だって…あぁでもしなかったら美空ねぇ…雅を…」
「殺さないよ」
「え…?」
美空ねぇを見る。
美空ねぇはばつが悪そうに目を逸らしていた。
「殺さないよ…だって…雅よ?私だって……友達だったんだから。でもあの子はまだ弱い……いつ他の魔法使いにやられるか分からないから…」
美空ねぇは…あえて憎まれ役を演じていた。
「あぁ…もう!そんなことより……そっかー…しーくんにバレちゃったかー」
美空ねぇは悔しそうに頭を押さえた。
「うん……ごめん」
「違うの。いじめられてるしーくんを颯爽と助ける私のプランが…」
そんなプランは僕が嫌だ!
「ところで美空ねぇ…美空ねぇは火を使うの?」
「ん?あぁ…私は火使い。それもより高温と言われる蒼い炎ね?中学校の時に習ったでしょ?」
「あれはガスバーナーだけど…美空ねぇのは…」
「うん、私のは魔法」
美空ねぇは笑顔で人差し指を立てると、まるでライターかのように蒼い火が灯った。
「私は蒼炎。雅は紫電。あと、もう一人いるんだけど……言いたくないからまた後でね?」
言いたくないって何だ。
「三姫…っていうやつ?」
「そう。いつからかそう呼ばれるようになったの。まぁ…私はちょっと迷惑なのだけど。ちやほやされるのは嫌いだし」
そのうちの二姫と知り合いの僕は凄いのだろうか。
「でも凄いことじゃん。魔法界の中でそこまで有名人なんて?」
「ううん。さすがに有名と言っても驚くほど強いわけじゃないしね?」
フッ、と美空ねぇは人差し指に灯った火に息を吹きかけ消した。
「じゃあ私はこのまま帰るわ?雅によろしくね?あの子、今キッツい感じになってると思うから」
「あ…うん、美空ねぇ…?」
「ん…なに?」
「あの孤児院……覚えてる?」
「え…あー…うん」
「あの頃から…魔法を?」
「…………うん。隠しててごめんね、しーくん」
と言って、美空ねぇは去っていった。




雅のいたところに戻ると雅は寝っ転がっていた。
「…………なによ」
「いや…えーと………」
「ふん。こっち見ないでよ。馬鹿」
随分な態度だった。
「雅…えーと……ド―
「うるさい。慰めも何もいらない」
酷い拗ねようだ。
こうなったら僕はお手上げだ。
正直、誰かを慰めることだって初めてなんだ。
「ねぇ……?」
仕方ないので、雅が帰るまで雅の隣に座ろうとしたら声を掛けられた。
「え…なに?」
「……美空と…どんな関係なの…?」
「美空ねぇは……昔、僕が孤児院にいた時に、初めて僕の友達になってくれた人なんだよ」
「そっか……あの孤児院の…ふんだ、いるじゃん友達」
「違っ…美空ねぇはちょうど今日再会したばかりでっ…!」
「なるほど……だから、かぁ……あーもうっ!」

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