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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 8

ゴロンとソファーに寝転ぶ。
この答えは彼に対峙してみないと出なさそうだったので、保留にしたのだった。



○×県の山の中に『天園』は存在する。
外観はまるで山の一部かのようになっており、航空写真やヘリコプターからでは視認できない。
そして今、私と鞍馬くんと、どうやって『あかさたな』から出てこれたのか分からない色筆くんが、『天園』の入り口に立っている。
「本当に山の一部っすね…ところで色筆さんはどうしているんすか?」
「それが必然だからじゃね?それにほら、俺、戦力になるし」
と、言っているが本当のところ無色くんのことを確かめたいのだろう。
それに、本当に心強い。
「行くわよ…準備はいい?」
「おう!」
「はいっ!」
『天園』のドアが開く。
そして目に飛び込んできたのは、あの悪魔だった。
「いらっしゃいん♪よく来たにゃ〜♪」
御門深華が逆立ちをしながらニコッと微笑んだ。
相変わらずジャージ姿。
「死神さんと雑魚と……はれ?確か……」
「椿貴色筆だ、子猫ちゃん…」
子猫ちゃんはどうかと思う。
鞍馬くんも雑魚呼ばわりを否定するタイミングを逃してしまっている。
「あー!なるほどっ…ふーん…『必然』かぁ♪じゃあ…私も♪私は御門深華♪『戦闘の天才』♪よろしくぅ!」
「戦闘…の天才…」
私と鞍馬くんは見たことがあるから頷ける。
あのスピード。あのパワー。
『戦闘』において、彼女に勝てる気がしない。
「御門さんは…どうしてここに?」
「むふふ…侵入者の迎撃を頼まれちゃってねん♪ボロちんもコロちんも無色さんもやる気が無さそうだったから、私が立候補したにゃ♪」
ふと、彼の名前が出た時、雰囲気が変わった。
「おい…才気無色はここいるのか?」
「うん♪でも私を倒さなきゃ、会えないよ♪」
ニタリと微笑む悪魔はようやく普通に立ち上がり、腕まくりをした。
「ほいほい♪まずは誰から?それとも3人いっぺん?」
「俺が行く」
色筆くんが前に出る。
正直、私も鞍馬くんも彼女と戦うのは厳しい。結果は見えている。
「いーよ、『必然』さん♪カカッテキナ♪」
ヒュンと彼女が消える。
次の一瞬には、色筆くんが潰されている状況を幻視する。
「タンマっ!」
と、色筆くんが叫ぶ。
「おりょ?どしたん?」
気づいたら、彼女は色筆の後ろで手を振り上げた状態で律儀に止まっていた。
「確か…深華ちゃんは『戦闘の天才』だったね?」
「そうだよ?」
「じゃ戦闘をやめればいんだよ、こうしてな」
彼女は首をかしげる。
律儀な彼女は『戦闘』を止めてしまった。
それが命取り。
色筆くんの声なんか無視をすれば今頃は色筆くんが死んでいたに違いない。
いや、彼女が動きを止めたことも『必然』なのかもしれない。
そう、この3人で一番強いのは間違い無く椿貴色筆なのである。
「『御門深華が動けないのは必然である』」



「ひーきょーおー……」
全く微動だに出来なくなった御門深華を背後に奥に進む。

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