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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 7

いつグシャッと肉片に変わってもおかしくない。
「ぐぁぁぁぁぁっ…!!」
「鞍馬くんっ…!」
「死神さんには私は消せないよん?スピードが違う♪」
そうだったのだ。
私が彼女を『消そう』とした刹那、彼女は自分でその場所から消えたのだ。
りんごが1個だろうが1000個だろうが私は0にすることができる。
ただ、0を0にすることはできないのだ。
もう既に、そこには何もないから。
目にもとまらぬ速さ、と言うべきだろうか。
彼女はただ移動という手段だけで、『消去』を回避した。
「うわぁぁぁっ…!」
「…やめなさいっ……」
「…いいですよ♪はいっ♪」
彼女はあっさりと鞍馬くんの頭を離す。
途端に鞍馬くんは頭を押さえうずくまった。
「鞍馬くんっ、大丈夫っ…!?」
「くぅ……ぁ…は…い……」
「大丈夫ですよ?壊れない程度にしましたから…♪ほならば帰らなきゃ!じゃあね死神さん♪『天園』に来た時は、歓迎してあげるっ♪」
夜明けと共に御門深華は姿を消した。
『天園』というキーワードは、その日私の頭に残り続けた。



私は色筆くんに事情を話した。
向日葵葵のこと。
御門深華のこと。
『天園』のこと。
そして、無色くんのこと。
すると「ふーん…」と素っ気ない態度で、向日葵葵の件についての報告書をまとめていた。
鞍馬くんの頭はただ締め付けられていただけで、本当に問題無いらしいが、今日はもう帰らせた。
何より、私が1人になりたかった。
一旦、情報を整理しよう。
『天園』という『天才』、しかもおそらく『異常天才』に関わるなんらかの施設があり、そこに無色くんはいるらしい。
そして…『異常天才』達に私のことを話している……。
そこから分かる情報は……。
無色くんが私の正反対の場所にいるかもしれないということ。
考えれば考えるほど深みにはまってしまう。
どうして?なぜ?
疑問が次々と浮かんでは消化不良に終わる。
『天園』という場所に踏み込んではいけない気がするのに、踏み込んでみたい気もする。
御門深華のような人間がたくさんいるのなら危険過ぎる。
でも、無色くんがいるのなら。
堂々巡り。
「………………はぁ」
頼りっきりは嫌いなんだけど仕方ない。
こういうことに関してはスペシャリストに頼むのが一番だ。
「もしもし…死神ちゃん、切られなかった?」
「はい…大丈夫でした。お母さん…『天園』って知ってますか?」
「『天園』…んー……場所だけは。他は知らないほうがいい、って『発見』したけど……死神ちゃん、それでも聞きたい?」
「はい、お願いします…」
「んーとね……○×県の山の中かな。詳細な地図は後で教えるから」
「ありがとうございます、お母さん…」
場所は分かった。
しかし胸に残るのは不安ばかり。
もし敵としての才気無色が私の前に出てきても、戦えるのか。

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