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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 1

真っ暗な路地裏に彼を追い詰める。
「はぁ…はぁ…殺すぞコルァ!」
『刃物の天才』と対峙する。
彼の両手に持つナイフが月の光に反射する。
ヒュン!ヒュン!
そのおかげでナイフが動く軌道が手に取るように分かる。
避ける。避ける。
彼の目はまるで満月に目覚める狼男のように真っ赤だ。
しかも今日は本当に満月。
「避けんじゃねぇ!」
ナイフの次は日本刀。
こんな綺麗な夜に刃物男と踊るなんて、一刻も早く止めたい。
どうやらこの男も戻れないらしい。
遊びは終わりにして、本気で仕事をしようか。
日本刀が私に襲いかかる。
それを1、2歩のバックステップで避ける。
日本刀は私の吐く白い息を縦に斬った後に、鈍い音を立てて地面のコンクリートに刺さった。
その瞬間に回し蹴りを刃物男に入れる。
「ぐあっ…!!」
2mほどぶっ飛ばす。
私の脚力じゃ、せいぜいこれが限界。
「ちくしょう!殺してやるっ!」
お次は青竜刀。
でももう構ってられないの。
私は刃物男の青竜刀と共に、彼が持っている全ての『刃物』を『消した』。
「青竜刀が…!!ならば………ねぇ!!俺の愛する刃物が1つもねぇ!!」
「それは私が消しました…」
「なんだとっ…!?」
「残念だけど、これでさよなら…」
私は『刃物の天才』を『消す』。
「ちくしょぉぉぉぉぇぉっ!!」
ビルに反響して木霊する叫び声と共に男が襲ってくる。
刃物が無くなった彼は、翼を失った鳥。
ダンッ!!
まるで鳥が地面に墜ちたかのように、私の1m前で彼がいきなり地面に卒倒する。
「ぐぎぎ…なん…だ…これ?」
「はぁ…はぁ……所長…足速すぎっす…」
「ナイスアシスト、鞍馬くんっ!今、解除っ…!」
「え?…あ、はいっ…!」
彼が見えない力から解放されて立ち上がる。
それに合わせる。
くるん……どんっ!!
私の本日二度目の回し蹴りが炸裂する。
彼の体は吹っ飛び、また地面に墜ちた。
どうやら気絶したらしい。
飛距離は………2.5m。
この瞬間、私、生神死神の回し蹴り記録が更新されたのであった。



「所長、ラーメンでもどうっすか?」
「えぇ、食べてもいいわよ…?」
「寒い夜はラーメンが一番っすから!」
事務所の助手、鐙鞍馬(アブミクラマ)くんと一緒にラーメン店に入る。
「えーと、俺は味噌で…所長は?」
「私は、醤油」
「味噌と醤油、あと餃子、にんにく入って無いやつで!」
店員に頼むと彼は疲れたのか水を飲み干す。
「どうしたの…?」
「所長、俺を置いてけぼりにしないでくださいよ…?」
「鞍馬くんに合わせてたら逃がしちゃうでしょ?」
「道路凍ってるとこもあるんですから勘弁してくださいよ…」
季節は冬。
この街は冬になると普通に雪が降る。
さすがに北の方みたいに大雪ってことは無いけど、地面が凍るくらいは降る。
そうこうしてる間に頼んでいたラーメンと餃子が来た。
「いただきます…」
「いただきますっ!」
2人してラーメンをすする。
「所長、餃っ…あ」

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