PiPi's World 投稿小説

GENIUS・PLUS
その他リレー小説 - その他

の最初へ
 2
 4
の最後へ

GENIUS・PLUS 4

結果はもちろん色筆くんが難なく避け、彼女は地面に倒れた。
しかし今の彼女、完璧に色筆くんの首を『噛み千切ろう』としていた。
「おい葵ちゃん、俺はあまり美味しくねーよ?」
「切れるんだったら何でもいーの!」
「こえーよ、この子」
「色筆くん、管理人でしょ…」
「死神ちゃんもこえー」
遊んでないで、仕事をしっかりしてもらいたいところである。
「はぁ…いいか?葵ちゃん?『眠れ』」
彼の言葉は『必然』を持つ。
向日葵葵は先程の笑みとは正反対の、無邪気な顔で眠った。
「ふぅ…この子は、あー…『U』くらいか?鞍馬はどう思う?」
「俺っすか!?あ…いいんじゃないすか?」
「鞍馬のおかげで決定ー」
向日葵葵は『U』の住人になった。
そして彼女は翌日に脱走したのであった。



「本当にスマン」
『あかさたな』の管理人、椿貴色筆は朝早く、なんと4時に私に電話をしてきて、こう告げた。
「……まだ4時…ですが…なん…ですか…?」
「葵ちゃんが脱走しちまった」
「…おやすみなさい……」
「死神ちゃん、鞍馬がもうそっちに向かってるから。鞍馬にパジャマ姿見られるぜ?」
「…分かりました。捜してみます」
「頼む。じゃな」
色筆くんとの電話を切り、すぐにお母さんに電話をする。
「もしもし…お母さん、おはようございます…」
「あら、死神ちゃん?どうしたの?私が夜勤じゃなかったら電話に出てすらないわよ?」
「…それは幸運でした。あの…向日葵葵…という人物がどこにいるか『発見』できますか?」
「なるほど…そういうわけ。ちょい待ってて?………んー…えーと…ぼたん橋の下…かな?」
「ありがとう、お母さん…少しは顔を見せに事務所に来てください」
「はいはい…じゃあね死神ちゃん、切られないように気をつけて?」
「はい、それでは…」
彼女の居場所は分かった。
私は鞍馬くんが来る前に急いで準備して、寝癖がついている鞍馬くんとぼたん橋に向かった。


この町には大きな川が流れており、その川の岸と岸を繋いでいるのがぼたん橋である。
故にその橋も大きく、橋の下ともなると満月の光りさえ入らず真っ暗である。
その闇の真ん中に彼女がいた。
「おねーさん、何しにきたの?」
「…貴女を連れ戻しに来ました。抵抗するなら容赦しません」
「へー…かっこいいね、おねーさん。惚れる。でもね…私も譲れないんだ。あの人に気に入ってもらえるように…」
「あの人…?誰ですか…?」
「アハハッ…ひみつぅ!」
彼女がゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
その手には小さい果物ナイフ。
まさに鬼に金棒。
小さい果物ナイフであっても、必殺の得物に間違いないのである。
「どこから切られたい、おねーさん?まずはそのサラサラな髪からかなぁ?それともその綺麗な顔かなぁ?指かなぁ?腕かなぁ?足かなぁ?あはははっ…!どうしようかなぁっ!」

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す