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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 21

そしてゆっくりとした拍手が聞こえてきた。
同時に理解する。
『創造の天才』を。
「…素晴らしい。普通ならここで終わりなのだが、なるほど、『対等』だからこそに気付くか………いやはや、勉強になるな。
しかしまぁ…死ぬのはいい加減もうたくさんだな。あまり心地良いものではない」
偽乱造は、生きていた。


ここで説明を入れておこう。
この俺、『対等の天才』の話である。
基本この能力は強制的に後攻になってしまう。
相手の『天才』を認識してからでないと『対等』になれないからである。
その認識は直接『能力』を使用しているところを見る、や体感するなどマゾもいいとこである。
だから今回の場合、後攻どころか『天才』を使うタイミングすらなかったことに違和感を感じた。
今までたくさんの『天才』と出会ってきたが、能力を使わないやつなんて一人もいなかった。
だから最期の最後。
偽乱造が能力を使った瞬間に全てを理解した。
偽乱造は……人の領域を踏み出していることを。


「生きていたのではない。新しい命を『創った』のだ」
フン、とつまらなそうに続けた。
「創った……?」
「そう。『創った』。私は死んだ後に新たな生命を『創り』、それを私とした。だから厳密に言うと先程の私とは違う私なのだが………まぁ、そんなことは赤子の手をひねるくらい簡単なことだ」
あまりの力の差に驚いたのはツバキではなく『対等』である俺だった。
『対等』であるはずなのに、差を感じてしまうほどに、その『天才』は巨大過ぎた。
「おい…サイキ…。お前も生き返れんのか…?」
「できない。一回死ぬんだぜ?そんなん怖くてできるか」
やり方を間違ってしまったら、そこまでである。
「さてと…ではナイトメア君を………は、いいか。盤面から落ちた駒などいらぬ」
偽乱造のために自害した『最悪』を駒と言う偽乱造はまた背中を向けた。
「付いてきなさい…私の作品を見せてあげよう」
と奥へと歩き出した。
「サイキ…やばい匂いしかしねぇよ」
「でも選択の余地は無い。虎穴なんとかだ」
俺達は天園の最終エリアに進んだ。
そしてそのエリアに進んだ30秒後、偽乱造は『創造』できずに死んだ。


なにが起こったのか分からなかった。
最終エリア「深淵」に辿り着いた俺らの前には、大きい水槽があった。
ライトアップされたその水槽はまるでどこかの有名水族館の巨大水槽のようだった。
しかし、鮮やかな魚なんて一匹も泳いでおらず、その中には美しい裸の女性が漂っていた。
偽乱造はその水槽の中の彼女に語りかける。
よくは聞こえなかったが、それはまるで愛を語りかけているかのような雰囲気だった。
ここまでが10秒。
そしてここからの20秒…現在に致るまでの記憶がない。
いや、あまりの展開についていけなかった。

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