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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 17

叢雲悪夢も通路を凝視する。
タッタッタッ…
一定のリズムで近づいてくる。
鞍馬くん?
色筆くん?
するとポツリと叢雲悪夢が言い放った。

「ああ…これは…『最悪』だ……」

と。

その人は姿を見せた。
そして私を見て驚いた表情をしてから微笑んだ。

「ただいま、死神ちゃん……透明なマグカップはまだ割れてないかい?綺麗になったね…?」
「無色…くん………!」
「無色…くん………!」

感動の再会なのに声がハモる。
私の隣には、私の格好になった『最悪』がいた。
「「なんで…?」」
気持ち悪い。
鏡のように、私とまったく同じ私がいる。
ドッペルゲンガーに会うと死ぬと聞いていたけれど、確かにこれは死にたくなるほど気持ち悪い。
「…なるほど……死神ちゃんに化けたわけか」
「「無色くん!」」
とにかく早く私が本物と気づいてもらわなければ。
「「無色くん、何か2人しか分からないことを!」」
「うん…そうだね……だけど…」
無色くんはゆっくり私達に近付き、叢雲悪夢のほうの私を蹴り飛ばした。
「あぅ…!……無色くん…痛いよ…」
「黙れ詐欺師。お前にとって『最悪』なパターンだろ、これが」
「ちっ…さすがに本物は違うね…『最悪』だ…」
叢雲悪夢が本当の姿になった。
「ようこそ才気無色さん。歓迎してあげる。あと今まで貴方に化けて、いろいろ悪さをしていました。変な噂とか、警察に捕まっちゃったりするかもだけど、それは貴方がやったことになってるから、『最悪』だよね。これからの人生が滅茶苦茶になっちゃったけど、ドンマイ!」
叢雲悪夢は笑顔で言い放つ。
子供のように無邪気に純粋に『最悪』を述べた。
「ならお前もだ」
「あ…?」
「お前がした全ての罪、悪行…全て俺と名乗ってお前がしたのなら、お前もだ」
「何を言っているのか…意味が分からないな…」
叢雲悪夢は目に見えてイライラし始めた。
「お前こそ大丈夫か?俺を誰だと思っているんだ。才気無色、『対等の天才』だぜ。そして同時に今は『最悪の天才』でもある。お前と『対等』だからな。俺とお前、が『対等』なら、『お前がやった俺の罪も罰も全て全部何もかも、お前もだ。』どうだ…『最悪』だろ?」
「あはっ…あは!あははははははははははははははははははは!いいね、いいねっ…それは『最悪』だっ!さすがだね!じゃあもう面倒だからサクサクいこう!『最悪』を始めよう!」
トリガーを引いたのかスイッチを入れたのか…叢雲悪夢は壊れ始めた。
「そうだなぁ!まずは死神ちゃん、死んで!」
「え………」
「残念、死神ちゃんは死なないよ」
まるで息をするように、私を殺しにきた。
無色くんがいなかったら、もうこの世にはいないと思うとゾッとする。
「じゃあ生神神子が死ね!」
「神子さんも殺させない」

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