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GENIUS・PLUS
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GENIUS・PLUS 11

なにより自分で引き受けた仕事だ。
てめーのケツはてめーで拭け。
「やるぞ…椿貴色筆…死神ちゃんのキスをもらうためにも、今日から俺はロリコンだ」
よく分からない決意をした。


次のフロアに辿り着く。
誰もいない。
警戒しながら進む。
見えないほど、恐怖がある。
フロアの中央を通り過ぎた瞬間、世界が変化した。
それはまるで、ジャングルの中にいるようだった。
一面の森。
蒸し暑さ。
動物の声。
私が瞬間移動したかのように、ジャングルの中に取り残された。
ジャングル特有の広葉樹に触る。
「この感覚は…本物…?」
手触りは確かで、踏みしめる土の感触も本物だった。
「どういう…こと?」
じとっとした不安がよぎる。
状況についていけてない自分がいた。
この状況で歩き回るのは得策ではないと判断し、木陰で休むことにした。
「ふー…鞍馬くん…色筆くん…大丈夫…かな…」
ポツリと呟いた言葉はどこで鳴いているのか分からない動物の鳴き声にかき消された。
まずは自分の心配をしよう。
とりあえず、この世界から出なければいけない。
そして…無色くんに会わないと…。
「やぁ…」
ふいに話しかけられる。
声のほうに振り返ると、男の子が立っていた。
「……あなたは?」
「…僕は偽朧(イツワリオボロ)…貴女と同じ『天才』です」
「……私が…『天才』?」
「えぇ…確か『消去の天才』でしたよね?ちなみに僕は『幻覚のて「イレイズ」
―静寂。
『幻覚』だったジャングルを『消去』。
そして同時に…
「僕の…僕の『天才』がっ…!?」
狼狽える偽朧。
「笑わせないで。今の私は『異常天才』です…。貴方に構ってられる暇は無いの…」
膝から崩れ落ちる彼の横を通り過ぎる。
もうこのフロアには用はない。
何かを叫び続ける彼の声も耳に届いていなかった。

―時は戻る。
「ちくしょおっ…ちくしょっ…!」
来た道を走って戻る。
自分の情けなさに反吐が出る。
俺はあの女の子の恐ろしさすら理解することができなかった。
「っ…なん…だよっ…はぁ…はぁ…」
体力も無い俺は壁に手を置き立ち止まる。
「ははっ…かっこわりぃな…」
不甲斐ない自分に笑える。
足を震わせながら元のフロアに戻ると、そこには御門深華がいなかった。
「いねぇ…動けるようになったのか…?」
警戒しながらも進む。
いや、厳密に言えば進んではなく、戻っているのだが、もう開き直るしかない。
「ばきゅーん♪」
「がっ……!」
開き直った瞬間に御門深華にタックルされた。
手加減をされたのか、2mほどしか吹き飛ばされなかった。
「ありゃりゃ?交通事故かにゃ?それとも戦力外通告かにゃ?」
ズキリと心が痛む。
「うっせーな…もう帰るから邪魔すんな」
「ふーん♪でもね…私も侵入者は排除しなきゃいけないんだ♪」

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