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戦艦空母艦隊
その他リレー小説 - 戦争

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戦艦空母艦隊 20

ア号型攻撃潜水艦は各艦隊に数隻ずつ配備され艦隊前衛を務め、敵潜水艦の探査から攻撃、はたまた敵地沿岸へ接近して工作員を送り込む事も想定している。その為に迅鯨型(じんげいがた)潜水母艦を改装した改迅鯨型を各艦艦隊に配備……そのうち一隻“白鯨”は砕氷船になっているのは砕氷機動艦隊の為である。何よりも米太平洋艦隊から捕獲した戦艦六隻も実戦投入されており作戦行動に入っていた。


便宜上米太平洋艦隊時代からの艦名を受け継いでおり、コロラド級二番艦メリーランドは“眼利蘭土(メリーランド)“三番艦であるウェストバージニアは“西処女亜(ウェストバージニア)”と改称、眼利蘭土型航空戦艦として配備。テネシー級戦艦一番艦のテネシーは“輝音強(テネシー)”二番艦のカルフォルニアは“狩府御瑠荷亜”として輝音強型航空戦艦として配備、ペンシルベニア級の一番艦ペンシルベニアは“編汁紅亜(ペンシルベニア)”二番艦のアリゾナは“亜利租名(アリゾナ)”として編汁紅亜型航空戦艦として日本海軍では異例の戦艦である。何れも船体を一旦分断し継ぎ足しておりそのスペースには航空機燃料や戦艦用燃料が積まれ航続距離が長くなっている。本土防衛艦隊所属になっているが実質的には各機動艦隊の追加戦力と言った所である。
「墳進弾の改良は進んでいるな」
「はい……それにしても硫黄島を射撃場にするとは、島民もよく」
「比較的水資源が溜まる島に移住して貰っている。戦後は色々とインフラ整備する事になるがね」
「戦後ですか」
「よい敗戦を出来るのは米国だけだ……本当の敵はナチス独逸だよ」
艦長の言葉と同時に副長も頷く。
「イ号墳進弾の弾着跡を貯水池にするなんて次官は恐ろしい人ですね」
「建機やその燃料を陸揚げするだけでもひとさわぎするからな、ここは」
硫黄島の港湾施設は貧弱なので弾着確認耐塹壕を作る資材や建機は海軍研究所が開発したと言う移動分割桟橋を設置したほどだ。宿泊施設は地元民が住んでいた自宅を借り上げると言う形にしている他にも畑に関しても兵士ら維持管理し工業大や企業の真水製造装置の試験機を持ちこんでいる程である。これには日本の海洋戦略にとっては重要であるのだ。
この戦争が終わった後にも生かされる技術を得る事が大事なのである……。
「ジャイロに関してはこの前の海戦でだいぶ参考になったそうだな」
「はい、上はホワイトハウスでも狙うのでしょうか?」
「有川技術士官、それはナチス独逸の発想だ……交渉相手を潰すのなら米国民の世論を変えた方がリスクが少ないのだよ」
「失礼しました!」
「ホワイトハウスの危機管理は我々の想像をはるか上かもしれん」
「と言いますと?」
「真珠湾の際に米軍の暗号解析センターを爆撃してから米本土の基地の地下要塞化が推し進められている」
「そんな事が可能なんですか?」
「シールドマシン工法を使えば可能です」
「な、なんですか?」
別の技官から出た言葉に副長は尋ねなおす。
「日本じゃフナクイムシ工法として知られており今工事中の関門鉄道トンネルに用いられるのもそれだ。米国が建設を進めている第二パナマ地中要塞運河が出来るのもこの工法だ。シールドマシンの大きさは工業力がモノを言う」
「フナクイムシは確か木を喰い進めますな……」
「フナクイムシは身体にセメントの様なものを作り出して安全に進めるのさ……シールドマシンは土を削りその周辺をコンクリートブロックを設置していく。言わばトンネル堀を大部分を自動化している。これを使えば浅草の地下鉄工事の様に地面を掘り返す必要もないし必要なのは土砂の排出施設や空調施設……地下鉄を流用しているかもしれないぞ」
「つまり噂の飛行艇を使っても無駄と言う事ですか?」
「そうだな、米国も航空機開発を一本化する動きも出てきた、未確認だが独逸は長距離爆撃機の開発に成功した」
「もしや気化爆弾を」
「可能性はある、ちょび髭伍長とは言え軍人は頭が勝負だ」

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