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All right
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All right 17

 謝罪の仕方によっては関係が良くなるどころか悪化するだろう。
 それが分かっているのかいないのか、別世界から戻ってきたさくらは、
「……坂本くん、さっきはつい言いすぎたわ。うん、完璧に私が悪かったわ。そうよ、坂本くんが悪いわけ地球が逆回転を初めてもありえないに決まってる」
「は、はぁ」
「なんたって、坂本くんはあの流さまのアシスタントをしているんですもの! 流さまの見出だした人が悪いわけないもの。ねっ?」
 打って変わってハイになったさくらに、流馬はあいまいな苦笑いを返すしかなかった。
微妙な表情の流馬に向き直る茜。
「すまん、坂本くん…もうちょっと夢見さしてやって…。」
さくらが、キモ流とルガーの流は同一人物、だと気付く(信じる)事はないだろうが。
「僕としても…その方が助かります。漫研のドンパチ以来『あの調子』なんで…。」
不良グループが勝手に絡んで勝手にビビって、文系クラブからは勝手に英雄伝説作られて…彼にしてみれば迷惑な話だ。
「微力ですが…協力は惜しみません…。」
おずおずと申し出る流馬に茜は微笑みを返し肩を叩こうとするが、フケだらけのコートに思い止まる。
「…とりあえず毎日風呂入って、洗濯しなさい!素顔?は結構男前なんだからさ?女の子の反応も、違ってくると思うよ?」
「あうぅ?」
茜の目の前で真っ赤になって縮こまる流馬。
「そーよ!これからはキモ流のまんまじゃ困るんだから!アタシ達と流サマのパイプ役としての自覚を持ってもらわないと…。」
ハイテンションなままのさくらに苦笑する流馬と茜達の元に、明希を連れた悟が現われた。
悟に寄り添う明希、少しは落ち着いたようで悟と明希もまた、流馬に謝罪する。
「いえ…僕で良ければ…力になります。」
流馬は二人を見比べ、ホッとしたような…それでいて切ない笑顔を浮かべる。
明希は薄々流馬の好意には気付いていた。そして自分がその意思に応じる気がないにも関わらず、彼は無償で協力を申し出てくれている…犠牲…そして予告状にあった偽善の二文字にが突き刺さる。
しかし悟と一緒なら、その矛盾や理不尽ささえも…。
「しかし……、こうなるといよいよ手詰まりだな。くそっ、まだ脅迫状が来ているからには犠牲者が出るのは確実なのにっ」
 悟が苦り切った表情でつぶやく。早くこの凶行を止めなくては、証拠とやらのためにまたひとり以上の犠牲者がでる。
 悟達が危惧するのは、それに対して身構えたこちらに、犯人がのように対応するかだ。京の場合は触媒を盗まれただけだが、下手に抵抗すれば犯人が実力行使に出る可能性もある。その場合、犯人がどこまでするかは予想もできない。

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