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All right
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All right 16

…以前さくらが語った、理不尽な部室立ち退きを彼が撃退した一件…どうやらお礼参りのようだ。
「最大限の譲歩だ…てめぇの流儀にあわしてやるよ。」
不良生徒の手にも拳銃…改造ガス銃の類か。
「あの〜…格闘うんぬんを語る方々には不向きな代物かと…それに、改造ベースにするなら××社の〇〇。あと個人で楽しむ分にはともかく、ゲームや試合では…。」
「俺らはてめぇとヲタ話しにきた訳じゃねぇっ!このコスプレ野郎!」
やれやれと肩をすくめ、どっかで見た様な『瓶底眼鏡』をかけ直し目を細めるルガーの流。
殺気…のカケラも感じられない…いやむしろ若干おどおどした態度、彼にとっては自然体なのだが。
「へへ…ビビって声もでねぇか!」
さる筋から調達した改造銃(銃刀法すれすれ)…対するルガーの流、真鍮削り出しの『無可動』モデルガン、彼の『気弾』能力の媒体だ。
「お互い…痛いのは…。」
「撃てぇーっ!」
ぱんぱんぱんっぱんぱんっ!とてもBB弾とは思えない銃声…大量の高圧ガスが硝煙のごとく立ち込める…。
「居ない!?」
別にルガーの流が超人的な身体能力の持ち主だった訳ではない…。
隙だらけの射撃姿勢、一点に集中していた為に狭まった視界…彼にしてみれば一歩横にずれただけなのだ。
再度ルガーの流を狙い直す不良達…ばしゅー…改造ガス銃が情けない音をたて作動不良を起こした。
「こ…この野郎何しやがった!?」
「俺らの銃声にまぎれて、0.2秒の…?」
「やべぇ…次は本気でくるぞ?」
勝手な妄想で混乱する不良生徒達…作りの荒い改造ガス銃がイカれただけの話だ…。
「だから××社の製品は…。」
「今日はこのへんにしといたるーっ?」
捨てゼリフを残し逃げ出す不良生徒ども…。

…渡り廊下で一部始終を見守っていた茜とさくら…。
茜は馬鹿な不良が勝手に自爆…坂本くんも災難だねぇ…と認識していたが、しかし茜は…。
「ああぁっ!悪党共を千切っては投げ!新たな伝説の1ページに私は直面して…。」
おーい、帰ってこーい…。

…その伝説君は…
校舎の影…溜め息一つ、逆立った金髪が『元の』フケまみれの長髪にもどる。
「ふう…。」
真紅のコートがリバーシブル(アニ研からの貰い物)…これまた『元の』不審者系な黒コートに戻る…瓶底眼鏡のキモ流こと坂本流馬ここにあり。
流馬が変装を解き懐にルガーを納めた所で、気まずそうな表情の茜と、やたら上機嫌なさくらに遭遇した。
「あの…さっきは…なんか色々誤解があったみたいで…ごめんなさい…。」
「あ…いえ、僕の方こそカッとなって…。」
茜と流馬の間ではそれなりに和解が成立したようだ。問題はドサクサ紛れに罵詈雑言のフルコースをご馳走してくれた、さくらの方だ。

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