コトノハ〜KIYOMARO&MEGUMI〜 8
恵さん、怒ってるかな…。俺でもメール無視されたら腹立つからなあ…やっぱり怒ってるよな。
「清麿」
ガッシュに呼ばれ、ハッとした。ずいぶん長いこと茫然としてたらしい。
「な、なんだ?」
昨日のガッシュのキャラだと…多分キツイ一言がくる。そう考えたらつい、どもってしまった。
「どうするのだ?今すぐ謝りのメールを送るか、直接会って謝るか、平気で無視をする最低な男になるか、選ぶのだ」
やっぱりキャラ違う…。なんだこいつ、いつの間に紳士になったんだ?
「…メールで謝って、直接会ってからもう一回謝る。それがベスト、だろ?」
ガッシュは力強く頷く。なんか形無しだな…俺。っと、善は急げっていうし早く謝らなきゃ。
電車に揺られて、モチノキ町に向かう。その途中で携帯が鳴った。
「清麿から?」
この着うたは確かに清麿くんからのメールだ。昨日のメール無視を思い出して、恐る恐る開いてみる。
『おはよう、恵さん。昨日はメール返せなくてスマナイ。ちょっと色々あって…とにかく会ってちゃんと謝るから。それじゃ遊園地で。 by清麿』
なんだ。昨日の事の謝罪か。てっきり行けないとか言うのかと思った。でも謝るにもちょっとそっけないかな?
「清麿、なんて?」
「『昨日はゴメン』だって」
まあ、謝ってくれただけよしとしますか。
「恵も大変よね〜。相手があ〜んなニブチンなんだもん」
「もう…なに言ってるのティオ!」
確かにニブチンだけど、そこは惚れた弱みってゆうじゃない。でも私が告白したら清麿くん、どんな顔するんだろ?顔を真っ赤にして慌てそうだなぁ。
「…恵。顔面の筋肉緩みきってるわよ。アイドルの顔じゃないわね…」
「え?何か言った〜?ティオ〜」
「…ハァ…重症だわ、これは」
ティオに注意されても、私の緩んだ顔は治らなかった。