コトノハ〜KIYOMARO&MEGUMI〜 12
「私は誰ととは一言も言ってないけどな〜。二人ともなんで顔が赤いんでしょうね〜?いったい誰を想像したのやら」
その言葉でさらに、顔に血液が集まっていくのがわかる。俺は確かに恵さんに、その…抱きつかれるのを想像(妄想)したけど…恵さんも同じ様に考えたのか?いや、有り得ないだろ…。
ティオってば急になに言い出すのよ!?思わず、清麿くんに抱きつくこと考えちゃったじゃない…。でも、ホントにそうなったら嬉しいな。
「まったく…それより清麿、その眼鏡はなに?」
「あいつらが来るってわかったから、一応変装のつもりだったんだけど…もう意味無いな」
そう言って清麿くんは眼鏡を外そうとする。よく見たらあれって…。
「私があげた眼鏡だよね?似合ってるから外しちゃ、ダ・メ」
嬉しかった。私があげた物を、身に付けてくれているのが。だから、外して欲しくない。
「えっ…まあ、恵さんがそう言うなら…//」
あっ。照れてる。恥ずかしくなると、左の頬を掻くのが彼の照れ隠しだ。
「ヌ、食べ終わったのだ。早く行くのだ〜!!」
そう言ったと思ったら、ティオとガッシュくんはもう走り出していた。
「相変わらず元気だな、あいつらは…」
「子供は元気があった方がカワイイじゃない」
「そーだな。さて、俺達も行こうか?」
腰を上げる清麿くん。もう後片付けを始めていた。
「…私はもう少しこのままでいたい、かな」
後片付けの手がピタリと止まり、顔が音を立てて赤くなった。ブリキの玩具みたいにゆっくりと、こっちを見る。
「恵さん…からかうのはやめてくれよ…」
からかっては、いないんだけどな…。ダメだ…もう、止まらないかもしれない。
「あの、ね。清麿くんに…その、大事な話があるの」
ドクン…ドクン
心臓…うるさい。自分の体じゃないみたいだ。
「…大事な…話って、なに…?」
もう彼も、この雰囲気でわかっているのかも、しれない。でも…やっぱり自分の言葉で伝えたい。
「あの、ね…私、その…清麿くんの、ことが…」
「高嶺く〜ん!!次はどこ行くの〜?」
ハッとして口をつぐむ。私今、なに言おうとしたの!?
「…鈴芽ちゃん」
「…水野」
「あれ?ガッシュくんとティオちゃんは?」
「あいつらならお化け屋敷だと思う。片付けもしないで…ったく」
そう言う清麿くんは、どこか残念そうだった。
「なら二人とも早く行こうよ。ガッシュくん達待ってるんじゃない?」
うん、鈴芽ちゃんの言う通りだ。早く行かなきゃまた文句言われちゃう。
…告白はできなかったけど、またチャンスが来るはず。そう思うしかなかった。
「つーか、山中達はどうしたんだよ?」
そういえば姿が見えない。
「確か…みんな、ゲームセンター行くって言ってた」