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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 7

仕方が無いと思い、再び席を立ち上がって保健室へと向かった。



「失礼しまーす」
保健室の扉を開けると上部の窓に何かを取り付けていた女子生徒が慌てる。手に持っている備品らしき物を落としそうになってわたわたしているとバランスを崩しかけて体勢を戻そうと必死になる。
その努力も空しく、女子生徒は体が脚立から落ちるのを自覚し、痛みを覚悟して目を閉じた。
とっさに洋平がヘッドスライディングらしき形で飛び込み、彼女の下敷きになる。
衝撃の割には思ったほど痛みが来ないことに女子生徒が恐る恐る目を開けると……
「いちち……大丈夫か?」
「あっ、はい……」
「そりゃ幸いだ。なら、早く退いてくれないか?」
洋平の上に乗っていた事に今更ながら気が付いた女子生徒は飛び上がるように退く。
「あー、先生居ないみたいだな。仕方が無い……絆創膏どこにあるかな?分かりやすい場所に置いて貰いたいもんだ」
机の引き出しを勝手に開けて探す洋平に後で怒られやしないかと尋ねてきた。
「良いの?勝手に机を開けたりして」
「先生が居ないし、帰ってくるまでに休み時間が終わるかも知れないだろ?事後承諾ということで、勘弁してもらうさ」
納得はしてないだろうが渋々了承して頷く女子生徒。話しているうちに絆創膏を見つけ、切った部分を巻く。
「これで良しっと。所で君は何をしていたんだ?」
「えーと……」
ひょっとしたら覗きをする男子生徒かと思い、女子生徒は言い淀む。
「当ててやろうか?身体測定の覗き対策だろ。やっぱそのくらいはするよな、流石に。って俺も下見がてらとか疑われている? んなつもりじゃないんだけど」
「信用できません」
とじと目で洋平を見る女子生徒。
「だろうな。でもまぁ、そこは信用してくれとしか言い様が無いからどうとも言えないし……大体、俺は巻き添え食らうのも真っ平ごめんだぜ」
はっきりと言う洋平にどうしたものかと考え込む女子生徒。
「はぁ……分かりました。ただし、覗き対策がバレたら真っ先に疑いますからね」

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