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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 6

「おまえら、甘いな」
先ほどから出ている主張を退けるような発言を一人の男子生徒がする。
「確かに双子の美人にバスケ部の華、果てはミリタリー部の姫は捨てがたい!!だがな、この学校には巨乳美人という華も居ることを忘れてないか!!」
「なんだってー!!」
と某超常現象風な驚きをする男子生徒たち。割とノリが良いが目的が目的だけに締まらない。
「斉藤 絵美(さいとう えみ)。おそらくG……いや、Hカップはあると見た」
絵美を推す男子生徒が妄想する。男子にとっては触りたい、もしくは揉みしだきたい胸であり、女子にとっては胸的な意味で脅威の戦力差を持つ美少女。
「料理部の川部と図書委員の河端も良いよな。貧乳もまた良し!!」
あえて貧乳の価値を力説する男子生徒。
ちょっとその辺りは自重して欲しいと思う方も居るだろうが個人的趣味なのでスルーする、空気の読める覗き派男子生徒たち。
料理部の川部 由里(かわべ ゆうり)の料理はずば抜けて美味しいと有名だ。
図書室の妖精とも言われている河端 里奈(かわばた りな)は見た目の幼さと感情をあまり表さなさそうな雰囲気が魅力の美少女だ。
「どーでもいいが、おまえら口に出して言うのもどうかと思うぞ」
とトイレから戻ってきた洋平が小声で突っ込む。何をしようとして企んでいるのかは大方検討はついていた。確かに洋平は覗き計画自体全くといっても言いほど知らない。
女子に告げ口するつもりはないが、覗き派男子生徒たちを止めるつもりもない。要は勝手にやっとけと言う事だ。
「って、聞いてないか。まっ、こっちとしては被害を被らなければどっちでもいいんだけどな。どうせ、あいつら痛い目見るだろうし」
実はこういう事に関して洋平は厳格なようだ。だからと言って、彼とて健全な男子。女性に興味が無いという訳ではない。
だが、わざわざ印象を悪くするような行動をする事もない。そもそも覗き自体リスクがありすぎるのだ。
覗き派でもない反対派は大概恋人が居る男子学生ばかりだ。そして、覗き自体に興味の無い中立派も居る。洋平は後者に当てはまる方だ。
それ以前に現在休み時間。女子のグループから離れてこそこそ胸のサイズで雑談している時点で女子から冷たい視線が注がれているのを彼らは気づいているんだろうか?
十中八、九気づいていないだろう。
「つぅ……」
何気なく古武術の基礎本のページをめくろうとして指を切った。痛みで少し顔を顰め、切った指を見てみる。
皮を少し深く切ったようで、血が滲み出てくる。

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