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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 60

「あの人の…家なら…安心そうね……」
武道の心得のある人の家なら安心という絵美。すると絵莉が
「どうせならそれに乗じて彼氏の家に泊まったら?」
と絵美に言う。
「ちょっ……お姉ちゃん!」
「俺の部屋でいいなら構わないぞ。襲ったりしないから安心しろ。」
「え?う……あ……そういう事じゃなくって……」
大混乱に陥る絵美。それを見て絵莉は
「あらあら青春してるわね〜。あーあ、私も彼氏欲しいなぁ」
と羨ましがり、また、絵美の表情を楽しんでいた。
「もうっ!何でそんな事言うのよ!」
絵莉に怒りをぶつける絵美。
「だって暫くドラマ撮影の泊り込みで私は居ないし、丁度良いかなと思って。」
「な、何が丁度良いのよ!」
そこへ洋平が
「と、とりあえず落ち着いて、な?……絵莉さんもその辺で……斉藤が泊まりに来ても構わないし……」
「行かないわよっ!!」
「……ええと……俺、なんか斉藤に嫌われることしたか?」
「そ、そうじゃなくてっ……」
あーだの、うーだの言って頭を抱える絵美。
恋する乙女はいろいろと大変だった。


「……という事なんで暫くの間泊めさせてもらっていいですか?大成さん」
「なるほど、そういう事情ならいいよ」
「仕事中にごめんね、大成さん」
「仕方が無いさ。緊急を要することならね」
翌日、早速携帯電話で洋平は大成に事情を話した。
その事に対し、大成は快く返事を返してくれた。
元から高丘家は友人や親戚も泊まれるように客室スペースを確保している家だったからだ。
深美一人泊まりに来た所でどうって事はない。
菫も綾奈もおそらくは歓迎はしてくれるだろう。
話がすんなり纏まって、申し訳なさそうに告げて電話を切った洋平は昼休みまで待つ事にした。


「よう、やっぱりここに居たか」
「あなたはこの前の」
屋上へ来た洋平が声を掛けると深美は何かに怯えるように振り向いた。
だが、相手が洋平と知るとほっと安堵の溜息を漏らした。
「ストーカーの件は斉藤……妹さんの方から聞いたよ。又聞きになるけど」
「そうですか……」
「相当辛かっただろ。それで提案だけど……俺の知り合いで悪いけど暫くそっちで泊まらないか?」
同情するように洋平が言い、提案をする。
「でも、その人に迷惑がかかるんじゃ」
「大丈夫だ。話は通っているし、俺の知り合いって言っても柄の悪い人じゃないし、妻と子供の三人で暮らしているし、保障はする」
洋平が言い終わると暫く考え込む深美。
「信用してくれとは言わない。強制もしないし、そっちの意思を尊重はする。けど、先に身の安全を確保するのが大事だと思うけど、どう?」
「……わかりました。それじゃ、お願いしますね」

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