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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 56

ふと視線を道場入り口に移すと、メイド部の娘たちがティーセットを載せた装飾された台車を押して行くところだった。
どこかの部にティータイムサービスを提供するのだろう。
メイド部は各部に日替わりでティータイムサービスをしているのだ。

そこに、さっきの端整な美少女「石原さん」が戻ってきた。
後ろにはキリッとした強そうで格好いい、道着姿の美人を連れている。
どうやら彼女が部長らしい。

「あら?魚崎君じゃない。もしかして、ついに部に入ってくれるの?」
「そっちに関してはちょっと無理がありますって。いい加減、諦めてくださいよ」
「魚崎君ほどの腕を見逃すのはもったいなと私は思うんだけど……話は夏美さんから聞いたわ。道場を少し借りたいですって?」
「ええ、俺の師匠代わりの人が久々に手合わせしようと誘ってきたんで。大体、15分ぐらいでいいですか?」
「それくらいなら別に良いわ。ただし、それ以上は無理だからね」

「わかりました。ありがとうございます、石上先輩」

ちゃかしながら話をして、道場を借りたい旨を伝えるとあっさりと了承された。

「ところで洋平君の師匠代わりって誰なの?」
「高丘 大成さんって人ですよ」

なんでもないように洋平が言うとあやめは目を丸くした。暫く間を置いてから……

「えーーー!!うそっーー!!マジなの!!」

大層、驚いていた。他の部員も同様にだ。

「マジですって。と言うより、そんなに驚くような事ですか?」
「だって、高丘 大成ってアトランタオリンピック候補まで上り詰めた人でしょ!!
そんな人が来るなんて!!どうしよう!!すっごいどきどきしてきた!!」
「んな大袈裟な」

と洋平は柔道部の過剰な反応に戸惑い気味だ。
「そういえば、柔道着はどうするの?」
「あー、そうだった。大成さんも俺も持ってないんだよな、自分の。体格的に合いそうな人っているのか?」
「確か、余分に余っているのがあるからそっちのを使ってもらうわ。着替えは悪いけど体育館倉庫でお願いできる?」
「ああ、わかった。突然の申し出、済みません。石上先輩」
「別にいいわよ。高丘さんとの試合を見れるだけでも十分価値があるからね」

そう言って石上は道着を取りに向かった。
暫くして高丘一家が柔道場に来て、洋平と大成は柔道着へ着替える。
審判は石上だ。

「それでは、始めます。礼!!」

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