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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 51

ミリタリー部から借りた洋平の迷彩服は見事に赤いペイント弾で背中側が真っ赤に染まっている。
α2も同様だし、α1とα5は顔面と前面の一部が派手な色彩と化していた。
「ううっ〜。髪の毛までべったり。これ、取れるかな?」
彼女がかけているゴーグルには拭った跡を除いて悲惨な状況となっていた。
「大丈夫よ。水性の物だから洗えば落ちるわよ」
「それは安心しましたけど当たった時、結構痛かったですよ、部長」
「あれでも規定内の弾速よ。0.2mmで初速が秒速50m程度だから」
「それでも痛いのは痛いですよ」
救護所に近づくとカレーの匂いがしてくる。
「お帰りなさい、みんな」
絵美と保健委員の2人が迎えてくれる。
「おっ、昼飯はカレーか。定番だけど作るのが簡単だからなぁ」
「腹減っちまったぜ。さっさと食おうぜ」
と口々に男子達が言う。
「はいはい、ご飯を食べたいのは分かるけどそのままで食べるつもり?先にペイント弾の汚れ落として着替えてからよ」
「りょうかーい」
と、男子達が山林の管理事務所へと向かおうとする。
「ついでに、覗いたらゴムスタンでぶっ飛ばすからね」
どことは言わないが光恵とα5と呼ばれていた女子、β3と呼ばれていた女子の視線が男子達の股間に向けられる。
「Yes mom!!」
ぞっとした悪寒と共に男子達は直立不動で敬礼をして返事をした。

「ガツガツ、ガツ……ん?旨い!」
「ホント美味しいわ。」
ミリタリー部員達は物凄い勢いでカレーを平らげていく。
「ね、ねえ魚崎君……」
「斉藤?」
「美味しく作れたかな?」
「ああ、旨い。斉藤が参加してくれてよかったよ。」
「……うん……」
そんなやり取りを見て不機嫌になる光恵。
「全く……私のファーストキス奪っておいて……その上あんなにのんきに……ここは戦場なのよ。」
「先輩。」
「そもそも戦場のど真ん中でカレーなんて……」
「先輩?野々宮先輩!」
「あ、ああゴメン。如何したの?」
「お代わり如何です?」
「あ、ありがとう。」
光恵はカレーのお代わりを受け取ると
「ファーストキスの事は後にして第二回戦のメンバー抽選表を作らなくちゃ。」
と頭を切り替えた。

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