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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 44

「魚崎君、その人は?」
話の外だった絵美が菫と顔を合わすのが始めてだったのか、紹介するように言う。
「ああっ、この人は小さい頃に世話になった菫姉さん。姉さんって言っても身内じゃないし、小さい頃の癖でな」
「初めまして、高丘 菫です。綾奈がお世話になっているみたいで」
「いいえ、そんな事は。斉藤 絵美です。初めまして」
互いにお辞儀をする菫と絵美。
「でも綾奈が心配だからちょっと付いてくわ。じゃあね。」
菫はそう言うとまた綾奈の後を付いていくようだ。

「ちょっと腹減ったな。斉藤、丁度客も途切れる時間帯だし、何か食いにいくか?」
「え?でも……。あ、もし良かったら……私のお料理……食べてくれる?」
恥ずかしがりながら上目遣いで言う絵美。
「そうだな……じゃあちょっと材料を買いにいくか。」
「……あの……」
「ん?」
「美味しくなくても……怒らないでね。」
洋平と絵美は商店街を一周し、材料を買い揃えた。
「お台所……借りるね。」
絵美は慣れた様子で料理を始める。
「魚崎君は……座っててね。」
「あぁ、なんだか悪いな。」
絵美はてきぱきと料理を進めていく。
「まずはオードブル代わりにレタス、茹でカリフラワー、茹でアスパラのサラダ。」
「え?まさか斉藤、フルコースを?」
「あ……迷惑だった?」
「いや……良いんだけど……」
そこからコーンポタージュ、ミートパスタ、ハンバーグが並べられる。
「す……凄いな……」
「ありがとう……」
「さて、いただきます。」
「うん……」
「ん、旨い。」
「そう……良かった。魚崎君に褒めてもらえて……凄く嬉しい。」
絵美は今までで最高の笑顔を見せる。
「でもなんだか悪かったな。店番手伝わせた上に昼飯まで作らせて。」
「良いの……。魚崎君が喜んでくれただけで凄く嬉しいし……麻美ちゃんの事で……迷惑かけちゃったから……」
洋平は絵美の素晴らしい笑顔を見てその可愛さに、一瞬くらっとなった。
「それにしても美味しいなあ。」
2人は静かに昼飯を食べ終え、ふと洋平が言った。
「何だか・・・俺達、恋人みたいだな。」
その洋平の一言で2人は、さっき綾奈が「絵美お姉ちゃん、洋平お兄ちゃんに向けて好き好きオーラいっぱい出てるよ。」
と言ったのを思い出し、真っ赤になって固まってしまった。

 斉藤って、俺のことが好きなのか・・・・??

 魚崎君・・・私のこと・・・・どう思ってるの?


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