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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 38

「か……河端……助けてくれ……」
「魚崎君、ああ言ってるよ?」
「良いのよ。このくらいしないとコイツは判らないから!」
「って言ってるよ?」
「し…死ぬ……」
「だって。山根さん、大丈夫?」
「お、お前……なぜ山根の心配をする……」
「……だって。」
そこでやっと手を離す由紀。
「体に教えてやったのよ。」
「……体に言っても聞いてるのは耳……」
里奈はいつもの調子でそう言い、続けて
「でも、今日の魚崎くん、山根さん避けてる?」
と続け、里奈は去っていった。
「はぁはぁ、はぁ…はぁ……」
「魚崎君、大丈夫ですか?」
そこへ現れたのは料理部の川部 由里である。
「あ……あぁ。何とか。」
「山根さんもちょっとやりすぎですよ。」
「だってコイツが朝から……」
由紀はそこまで言うと由里は
「あ〜もしかして……好きなんじゃないですか?」
「うっ……」
「魚崎君、好きな相手に冷たくしちゃうのは小学生までですよ?」
(ソッチへ行ったか……)
由紀はホッとした様な肩透かしを食らった様な複雑な気分であった。
同時に洋平は、去年自分が由紀に告白された事を思い出した。
(そうか!山根が俺を好きだって言ったのは、「愛しています」ってほうだったんだ!!)
気づいた洋平は、頭を殴られたような衝撃を心に味わった。
「どうしたの魚崎君?雷に打たれたみたいよ?」
由里が衝撃を受けた表情の洋平を心配して声をかける。
その言葉に、自分が由紀に惚れられているという事実を改めて認識して、洋平は頭の中がぐるぐるした。
「そう……だったの?」
由紀がそう訊く前に洋平は走り出していた。
タタタタタタ どんっ
「きゃっ!」
ぶつかったのは光恵だった。
「イタタタ……」
「あ、悪ぃ。」
「もうっ、前向いて走ってよね!あ、そうそう、こないだの返事は如何したの?」
「え〜と……何の話だ?」
「私の……ふぁ…ファーストキスを奪った責任を取れって話よ……」
「あ〜それもあったんだ……」
「それ『も』?もしかして誰かと二股なんてかけてないわよね。」
「ないない……ない……事もない?かな?」
その言葉を聞いて洋平の襟首を掴む光恵。
「ちょっとぉ!それ如何いう事?答えなさいよ!!」
流石は「ミリタリー部のお姫様」である。すぐさま銃剣を突きつける。
「ちょっ……その前にお前その物騒なもの仕舞えよ。」
「そうね……じゃあこれなら答えられる?」
「三八式歩兵銃……」
「頭に穴あけられてから考える?」
「二股とかじゃなくて……その……告白されたって言うか……それに何ヶ月も経って気付いたって言うか……」
ジャキン
「い……今ボルト引かなかったか?」
「ご名答、まじめに答えないと引き金引くわよ。」

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