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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 28

「あれ?魚崎君?」
2人が居る公園をちょうど通りかかったのは絵美である。
一瞬声を掛けようか迷ったが、絵美は駆け寄って洋平に声を掛けた。
「魚崎、お、お早う。」
「あ、斉藤。如何したんだ?」
「郵便出しに行ってきたところ。あれ?この子は?」
絵美は綾奈の存在に気付く。
「あぁ親戚……というか遠戚の子だ。」
「ふぅ〜ん、可愛い。ねえ、お名前は?」
絵美はかがんでそう言う。
「綾奈だよ。お姉ちゃんは?」
「わたしは絵美って言うの。よろしく。」
すると
「ね〜今度は草滑りに行かない〜?」
と綾奈が言う。洋平が
「よし、じゃあ一回ダンボール取りに行こう。もう引越しで余りが出てるだろうから。」
と言って立ち上がる。
「じゃあ私は帰るわね。」
絵美が帰ろうとすると
「え〜お姉ちゃんも一緒に行こうよ〜。」
と綾奈が絵美の服のすそを引っ張る。
「え……でも……」
絵美が戸惑うが、
「ハハハッ……斉藤。おまえ、コイツに気に入られたみたいだな。」
と洋平は笑った。
「そんな……」
絵美はまだ渋っているが
「まあ付き合ってやれよ。」
と言う洋平の一言に折れた。
「良いわよ。」
「わ〜やった〜。」
3人は綾奈の家に戻り、ダンボールをもらい、川岸の土手に向かった。
「行くよ〜。わあぁ〜っ!」
綾奈は大喜びであるが
「えぇ?これ速い……」
絵美は初めての草すべりに戸惑っていた。
そして案の定・・・・
「きゃっ、速い・・・きゃっ!」
絵美は盛大にすっころんだ。
「お、おい!」
「絵美お姉ちゃん!」
下にいた洋平がとっさに受け止めた。
「大丈夫か!」
絵美の眼前、間近で洋平が声をかけてくる。
「魚崎君・・・・・う、うん。」
思わぬ急接近に、絵美はほほを紅く染めて恥ずかしそうにしている。
 どうしよう・・・こんな近くに・・・

絵美の心臓は早鐘のように高鳴っている。
それを見ていた綾奈のまるで狙ったかのような一言。
「洋平兄ちゃんと絵美お姉ちゃんって、好きどうしなの?」
「え・・えっ!?」
「わ、わたし・・・・・。」
「そ、そんなんじゃねえよ!」
「ち、違うのよ!魚崎君は・・・・私の・・・。」
揃って恥ずかしさ100%で否定する洋平と絵美だった。
だが・・
「ちがうのー?お兄ちゃんとお姉ちゃんって、お似合いだと思うよー。」

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