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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 27

驚いた事に去年の年賀状の写真に載っていた女の子だ。
なんで?どうして?と洋平が疑問を浮かべていると。
「綾奈!!走っちゃ危ないって……」
栗毛色のショートヘアの女性。綾奈ちゃんの母親である彼女を洋平は知っていた。
彼も小学生の頃から慕っていた姉のような人なのだから。
「菫姉さん……なんで?」
「洋平くん?」
まさか、こんな場所で逢うとは思わなかった本人達はしばし、唖然としていた。




「まさか、こんな所で会えるなんて思わなかったよ」
「私もよ。この時間帯だともう家に帰っているとばかりに思っていたから」
「まあ、ちょっとバスに間に合わなくてさ。立ち読みしていたら何本か抜かしていたし」
洋平と母親である高丘 菫に手を繋いでもらって覚えたばかりの歌を歌ってご機嫌なその娘である高丘 綾香。
「大成さん、元気にしてる?」
「ええ、大きな病気もせずに相変わらずね。そっちこそ、おじさんとおばさんは?」
「親父はぜんぜん変わらず。むしろ、あの親父が病気になるなんて有り得ないだろ。母さんは一週間前に無理をしてね、暫くまた入院生活だよ」
「あらら……」
お気の毒とばかりに声の張りが落ちる。
「それよりも、この町には里帰りで来たの?」
沈みかけた雰囲気を変えようと、なんでこの町に菫と綾奈が居るのか洋平は聞いた。
「違うわ。引っ越してきたのよ。荷物は明日届くんだけどね」
「へぇー。だったら、明日手伝おうか?」
「ありがたいけど、手伝うより綾奈を預かってくれないかしら。引越しは私と大成さんでやるから」
「わかった。それじゃ、明日綾奈ちゃんを預かって面倒見ておくね」
そう言って菫・綾奈親子と洋平はそれぞれの家へと別れた。



引越し作業で大忙しの菫に頼まれ綾奈と公園へ行く洋平。
「はぁ〜疲れた……」
ひとしきり遊びまわって疲れた綾奈はベンチに腰掛ける。
「はい、ジュース。」
「わ〜ありがと〜。」
綾奈は大喜びで洋平が自販機で買ってきたジュースを飲む。
(菫姉さんに似て、栗毛色の髪ってかわいいなぁ…
…)
洋平は思わず綾奈に見とれてしまった。
もちろん、幼女愛好家が見るような怪しい視線ではない。

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