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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 26

「ご、誤解よぉー!!魚崎君!!違うのよぉー!!」
「愛の形って千差万別なんだな。大丈夫、俺は応援してやるから」
「しなくていいの!!というか、私は同性愛じゃなくて至ってノーマルだから!!」
その後、昼休みの大半を費やして洋平の誤解を解いた絵美であった。
ついでにその間、麻美は洋平が邪魔とばかりに目で睨んでいた。

「魚崎君……私が好きなのは……」
絵美が「魚崎君です」と続けようとしたが
「あ〜分ったよ、誤解だったみたいだな。」
と絵美の言葉を遮ってしまう。最後まで聞かなかったのが良かったのか悪かったのか、洋平はとりあえず絵美が「レズではない」というところまでは冷静に理解した。
一方で収まらないのは麻美である。しかし相変わらず鈍い洋平は
「七海 麻美ちゃんだっけ?ああいうのは気をつけたほうが良いよ。」
と「正論」を述べてしまった。
「ふんっ!!冗談じゃないわよ。私はお姉さまが好きだし、貴方みたいな野蛮人に指図される覚えはありませんわ」
肝心の七海は洋平に対して敵対心丸出しだった。
「斉藤、お前『お姉さま』って呼ばせてるのかよ?」
「だ…だから…違うの!その……呼ばれてるだけで……」
絵美はもう真っ赤である。
「う〜ん……斉藤、とりあえず冷静になって放課後話そうか。」
洋平はそう言ってその場を後にした。
(麻美ちゃんのおかげで……酷い目にあったわ。)
(あの野蛮人、絶対にお姉さまは渡しませんわ!!)



放課後になり、多少のゴタゴタは有ったものの無事一日が終わった。
混雑したバスから開放されるように降りると凝り固まった筋肉を解すように洋平は伸びをする。
夕日が町を赤く染める中を子連れの主婦達が晩御飯の買い物をしに商店街へ向かって、あるいは買い終えた者は家路に帰る。
母親が買い物をしている間、遊具で遊びはしゃぐ子供達。
なんら変哲も無い当たり前の光景だ。
「とは言ってもこの時間帯は人が多いな。毎度の如くだけど」
各店舗からはお客さんに商品を買ってもらおうと店員が大声を張り上げながらアピールする。
「……なー!!あやなー!!帰るわよー!!」
買い物を終えた母親が子供を呼ぶ声が喧騒に混じって聞こえる。
どこかで聞いた事のある声に声がした方に顔を向けるが、気のせいだと思って洋平は歩き始める。
だが、視界に入ってなかったのか足に軽い衝撃が走る。
視線を向けると左の髪の毛の一部が立った栗毛色の髪が特徴の小さな女の子が尻餅をついていた。
「えっ?あ、綾奈ちゃん?」



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